商品コード:1224-053p[His Master's Voice ] M.リンパニー(pf)H.メンゲス指揮フィルハーモニアo. / モーツァルト:Pf協奏曲12番K.414, Pf協奏曲21番K.467
商品コード: 1224-053p
商品詳細:リンパニーの入れた唯一のモーツァルト協奏曲。彼女の弱い音は時としてオケに埋もれてしまいそうになるが、耳を立てて聴き漏らしまいとしたくなる。チャーミングな表情に特別なものを感じる。これに力量が加われば言うことはないが、それではリンパニーの個性ではなくなってしまう。壊れやすいものほど、いとおしくなる、そんな演奏だ。モーラ・リンパニー( 1915- 2005)は英国コーンウォル出身の女性ピアニスト。ベルギーのリエージュで音楽を学び、奨学金を得てロンドンの王立音楽アカデミーに入学する。12歳で演奏会デビューを果たす。ロンドンで、クララ・シューマン門下のマティルデ・ヴェルネに、ウィーンでパウル・ヴァインガルテンに就いて研鑽を重ねる。1938年にウィグモア・ホールでロンドン・デビューを果たし、1938年にブリュッセルのイザイ国際コンクールで2位に入賞。第二次世界大戦までのイギリスで最も人気のあるピアニストの一人となった。1940年にアラム・ハチャトゥリアンのピアノ協奏曲の英国初演を行う。1992年に来日し、4月9日のサントリーホールでの演奏会、ショパンの24の前奏曲は、NHK-FMでも放送された。英国人女性ピアニストとして最初に国際的名声を得た人となった。1979年にチャールズ皇太子のため御前演奏を行い、同年CBEに、1992年にデイム(女性版ナイト)に列せられた。長年モナコやフランスに暮らし、フランスで臨終を迎えた。モーツァルトは得意という程ではなかったが、丁寧なスタイルで柔らかい音で優美に奏でるソロは実に奥ゆかしい。女性ピアニストらしさ全開のモーツァルトである。大半がモノラル録音で、ステレオ期にはリンパニーは結婚と離婚を繰り返す中でピアニストとしては引退同様の状態になった期間が長かったようであることが要因らしい。但し完全に引退した訳では無い。1992年には来日し、その証拠となる。1990年代まで現役のピアニストとして活動をしていた。ラフマニノフ:24の前奏曲も1993年にCDに3回目を録音しているのである。リンパニーのラフマニノフは当時では考えられない程思い切りのよい豪快な演奏である。強い打鍵で叩く様子は現代のスタイルと同じであり、表現力は淀みなく深い。モーツァルトなどはナイーブな演奏だが、ラフマニノフ等では違った面も見せる多面的側面を持った女性ピアニスト。
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