商品コード:1234-023[CALLIOPE] M.ルディ(pf) / リスト:Pfソナタ, 悲しみのゴンドラ1, 2稿, 調性のないバガテル, 灰色の雲, リヒャルト・ワーグナーの墓に 他
商品コード: 1234-023
商品詳細:ミハイル・ルディは1953年モスクワ生まれのフランス人。モスクワ音楽院でヤコフ・フリエールに師事、1975年ロン・ティボー・コンクールで優勝、同時に亡命。録音の多くがことごとく賞を受賞している。これも仏グランプリ・ディスク賞に輝いた。ルディのピアニズムはロシアン・スクールで培った基礎にフランスで身につけた感性を生かした、現代美術のような即興的感覚美がある。独自の間合いで、特異な時間感覚がまったく新しい音楽に感じさせる。JAZZのエッセンスを感じる。B面に出てくる「アヴェ・マリア」だがややこしいことにリストの「アヴェ・マリア」は6曲存在する。ジャケットのタイトルは「アヴェ・マリア」としかないが調査された方が居て、ルディの弾く「アヴェ・マリア」はフランツ・リストによる歌曲「アヴェ・マリアⅣ S.341」のピアノ独奏編曲でS.545の記号が付く曲。6曲の中にはS.558/12で表記されるシューベルト=リスト「アヴェ・マリア」もある。それはシューベルトの有名な歌曲「アヴェ・マリア (エレンの歌 第3番) D.839」をリストがピアノ独奏編曲したものだが、ここではその「シューベルトのアヴェ・マリア」ではない。ルディというピアニストはなかなかの腕の立つ人物で、独自のスタイルを持つ。ロシアン・スクールで身につけた高難易度の曲でも楽々とこなせる技巧が余裕を生んでいる為、自己流と思える程の大胆な表現を可能にしている。高難易度の通常、破綻なく弾き上げることがプロでも精一杯だが、極端な腕前の持ち主は例えばヴァレリー・カミショフのような曲芸を精緻にやってのける。ルディにも似たよな傾向が見られる。こんな演奏が可能なピアニストはプロの中でも一握りだろう。A面のロ短調ソナタではわざと遅いテンポを用いて随所に見せ場を作っている。ただ上手いというだけではここまでの演奏はできない。曲の中にユーモアとペーソスを織り交ぜて、滑稽に感じるほど崩した演奏は聴き手に対する挑戦と感じてしまう。こんな演奏はこれまでにあったことはなく、かのカミショフが弾いたらきっと似たようなスタイルではないかと想像してしまうのである。
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