商品詳細：ロッシーニというとまずオペラの印象が先立つが、人生半ば37歳で「ウィリアム・テル」の作曲を最後に筆を断つと、その後は宗教音楽や、サロン向け歌曲、ピアノ曲、室内楽を中心に作曲を行った。44歳にボローニャに移住すると、料理の創作にも熱意を傾けながら、毎週自宅サロンで音楽会を開催し、ピアノ曲を中心とした自作を披露するのが恒例となった。この夜会は時にグノー、サン=サーンス、ヴェルディ、リストなどの作曲家、当時の一流の歌手なども集い、ロッシーニが76歳で世を去るまで習慣的に続いた。本レコードは、そんなサロン時代に生まれたピアノ作品の録音である。作品集「老いの過ち」として纏められたこれらの小品曲集は、真面目なものから冗談めかした曲、料理に因んだ題の作品、独自の旋法による作曲など、どれも個性的でユーモラスな作品ばかりだ。ロッシーニの独創的なアイディア、斬新な着想と和声法は、当時交流のあったビゼーやサン=サーンスら近現代フランス音楽作曲家にとっても大きな影響を与えることとなった。演奏は息子フランコ・メッツェーナ(Vn)とのデュオでも知られるブルーノ・メッツェーナ。優れた指導者としても活躍したピアニストだ。イタリアらしい華やぎある演奏を通じて、当時のサロン風景が生き生きと蘇る。

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