商品コード:1245-057[Le Chant de Monde] チェコ・トリオ(J.パーレニーチェク(pf) A.プロチェク(va) S.ヴェチュトモフ(vc)) / ベートーヴェン:Pfトリオ集/1~11番
商品コード: 1245-057
商品詳細:チェコ・トリオは1890年代に創立された、一世紀を超える長い歴史を持つ非常に古いチェコのピアノ・トリオ。ピアノ:ヨセフ・パーレニーチェク(1914 - 1991))、ヴァイオリン:アレクサンドル・プロチェク(1914-1982)、チェロ:サシャ・ヴェチュトモフ(1930 -1989)の3人でLPの最初期からSUPRAPHONに多くの録音を残している。1970年頃ヴァイオリンがイヴァン・シュトラウスに交代するまではずっと同じメンバーだった。現在でも活動は続いているが1991年に最後の創設メンバーであるパーレニーチェクが亡くなり、全員メンバーが入れ替っている。日本ではスーク・トリオが有名だが歴史の重みが異なる。チェコ・トリオはSUPRAPHONの初期にもベートーヴェンのピアノ・トリオで第5番 ニ長調「幽霊」などの録音があったが、パリで仏Le Chant de Mondeに録音した全11曲の完全な全曲録音はこれが最初となる。SUPRAPHONからは発売されず、バラ5枚で仏Le Chant de Mondeのみ発売された。当社でも全集化を目指して長年コツコツと集めてきてやっと全5枚が揃ったので、バラセットを出せることとなった。チェコ・トリオは勿論3人共チェコ生まれである。弦の国チェコを代表するプロチェク、ヴェチュトモフはチェコ伝統のスタイルを色濃く残す音楽家、ピアノのパーレニーチェクは1927年から1936年までカレル・ホフマイスターにピアノを師事したチェコ・ピアノスクールの継承者で1935年にチェコ・トリオの前身となるスメタナ・トリオを結成した。エコールノルマル音楽院に留学しアルフレッド・コルトーの薫陶も受けたチェコ・ピアノ界の重鎮である。彼らがフランスのレーベルであるLe Chant de Mondeに録音するいきさつもパーレニーチェクがパリで得た人脈のお蔭だろう。当時のLe Chant de Mondeには本格的なピアノ・トリオがいなく、Le Chant de Mondeとチェコ・トリオとの利害が一致したのだろう。この全曲録音に大きな意味がある。当時のSUPRAPHONにはまだそれだけの資金力、企画力が無かった。SUPRAPHONは1970年代に入りやっと全曲録音というプランが実現できるに至るのである。よく知られた5番「幽霊」や7番「大公」以外でもベートーヴェンの書いた11曲のピアノ・トリオには名作といえる作品が多く、フランス側としてもメリットが大きかったに違いない。録音時期ははっきりしないが1964年には全5枚が発売された。これはボザール・トリオ、ETERNAのボッセ他らよりも早くLes Discophiles Françaisのハンガリー・トリオとほぼ同じくらいの時期と思われる。西側ではかなり早い時期の全集発売である。しかも1890年代創立の歴史ある団体の演奏は当時大きな話題となったに違いない。日本では録音自体が知られていなかった。聴いてみるとチェコらしい潤いのある楽器の音と練り上げられた表現はハンガリー・トリオともいい勝負といえる演奏である。苦労して5枚集まった喜びをわかっていただける方の所へ行くことを願う。音質はオーディオファイルと言えるレベル!尚7番以降は現在Pfトリオ**番という言い方はしなくなったので曲名欄では()で最後に付けている。
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