商品コード:1253-028n[MELODIYA] Y.ギレリス(pf) / シューマン:子供の情景(全13曲), アラベスク, Pfソナタ3番~第3楽章「クララ・ヴィークのアンダンティーノ」と、その四つの変奏曲 他
商品コード: 1253-028n
商品詳細:佐藤泰一氏はその著書「ロシアピアニズム」の中で「親の七光り三羽ガラス」と題して、エレーナ・ギレリス、ニーナ・コーガン、ナタリア・ウラセンコを紹介している。その中で来日も多いエレーナ・ギレリスについては晩年のエミール・ギレリスの身近で育ったせいか若手にしては珍しく技巧で聴かせないピアニストとして評判は悪くない--と評している。佐藤氏が触れたのはここだけである。しかもソロ録音があったことは当LPを手にして初めて知った。シューマン作品集である。旧ソ連は共産圏とあって確かに親族で音楽家となるケースは西側より多いだろう。スタート時点で大いに有利だが、それだけで確実に人気職業音楽家になれるほど甘くはないだろう。しかし志しさえ持てば最高の教師が家の中に居るのである。西側では親子でモーツァルトの2/3台Pf協奏曲の録音はあったがエレーナ・ギレリスのソロは初めて聴いた。佐藤氏のコメントの通り技巧で曲を料理するタイプではない。遅めのテンポで丁寧にバッハのように「子供の情景」を弾いている。大変好印象を持った次第。是非推薦したい「子供の情景」としてメモしておきたい。エレーナ・ギレリス( 1948- 1996)はモスクワ生まれ。1996年にモスクワにて癌により48歳で亡くなっていた。MELODIYA~出ているLPはのこ1枚のみである。モスクワ音楽院でヴェラ・ゴルノスタエヴァとヤコフ・フリエールにピアノを師事し、1972年に卒業。卒業したその年にモンテビデオ国際ピアノ・コンクールで5位入賞を果たしている。またレニングラード音楽院でパーヴェル・セレブリャーコフの薫陶も受けた。1974年から1995年にかけて、モスクワフィルハーモニー管弦楽団のソリストを務める。1989年からはモスクワ音楽院で教師を務めたほか、チェコのオストラヴァ大学の教授も歴任した。夫は物理学者のピョートル・ニキテンコ。偉大なピアニストのギレリスの娘という立場で語られるには惜しいピアニストだった。長生きしてもっと録音を行えば、イーゴリ・オイストラフのような評価を得たかも知れない。このシューマン曲集はあまたのMELODIYAのシューマン曲集の中でも特別印象に残る1枚となった。尚、表記上、親子とも英語表記でE.ギレリス(pf)だがエレーナ・ギレリスはロシア語/英語変換のY.ギレリス(pf)とした。
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