商品詳細：当社でも初めてお目にかかるチェロ奏者によるバッハ・無伴奏Vc組曲。全曲はなく1/3番の入る1枚物である。フランスのFIDSOUNDという超マイナーレーベルの発売。このレーベルは Jean-Claude Thuel-Chassaigne.によって創設されたCompagnie Nationale d'Applications Industriellesを親会社に持つ子会社で、クラシックは殆どなく、ポピュラー系が専門の1970年代から始まるレーベルである。なぜその1枚に突然バッハ・無伴奏Vc組曲が出てくるかは謎だが、コレクターにとってはこれ以上の珍品もないだろう。チェロのシモーヌ・ピエラの詳細は不明、姉の Françoise Pierratとデュオを組み活動していた。1960年のニューヨーク・カーネギーホールでデュオの演奏会を開いている。シモーヌ・ピエラは同じレーベルにフォーレ等を含むチェロ・ソナタ集を録音しているが、他にはあまりないように思われる。カーネギーホールで演奏会を行うくらいだから、勿論相当に高いレベルをもっている。女性奏者でありながら結構低い太い音を出し、滑らかで綺麗な音色である。このバッハのLPは珍しい。海外のサイトでもかなりの高値が付いている。ピエラの特徴は歌うように流れが美しいことが挙げられる。スピードは早くも、遅くもなく丁度よいテンポ。低い弦の唸りが特によく出ていて、語るようにテンポを緩める場所もあり、誰の演奏とも似ていない独自の世界観を感じる。3番の出だしなどは今までにない歌い口で個性あふれる演奏であることは間違いない。珍しいだけでなく、優れた内容のバッハ・無伴奏Vc組曲。今度お目にかかれる保証は全くない。

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