商品コード:1266-047b[ARION] H.フォーブス指揮オランダpo. ブリティッシュ・コロンビア少年cho., J.ウィーラカー(org) D.プレストリー(s) R.ハニー・ジュニア(br) / フォーレ:レクイエムOp.48
商品コード: 1266-047b
商品詳細:1950年代より名演の多いフォーレ:レクイエム、この録音はARIONの挑戦とも言える大規模録音。1975年頃オランダで録音されたため、録音技師はプロデューサーにして創業者であるAriane Segalと、オランダのスタジオstudio Dickの社長であり、技師でもあるDick Van Schuppenによる録音となった。Ariane Segalとコンビを組む録音技師Claud Morelは今回は担当しなかった。ARIONというマイナーレーベルの録音の為か話題になることもなかった録音である。通常ARIONはパリで室内楽や器楽を中心に録音を行ってきた小規模レーベルである。資金の点でフォーレ:レクイエムのような規模の録音は屋台骨を揺るがし兼ねない。当たれば黒字が出るが、当たらなければ赤字となるリスクの大きな製作である。結果、売り上げ的には失敗に終わったようだが、ARIONにもこのような規模の製作ができることを見せつけた意欲作となった。残念ながら当時の批評家は興味を示さなかったようである。尚、合唱団である、ブリティッシュ・コロンビア少年合唱団は英国の合唱団ではなく、カナダのバンクーバーにある少年合唱団である。この録音の為にはるばるオランダまでやって来たのか、あるいは多重録音を行ったのかは不明。演奏は静かに厳かに始まり、教会のミサのような流れで進行し、劇的な盛上りや強烈なインパクトを強調しない静かな演奏に終始する。聴衆を殆ど意識しない教会内の行事として執り行われるような印象の演奏でメジャーレーベルが行う録音とは基本的な所が異なる。歌手たちの独唱も熱唱を見せることはなく、淡々と祈りのような歌で全体と調和し一体化したものになっている。レコードとしての販売や成功等眼中に全くない日常の宗教色の強い演奏といえる。実際の教会での宗教的演奏はのこのような感じであると思われる。淡々と幸福な時間が流れるレクイエムといえる。このスタイルの静かなレクイエムは一般にはレコードとして受けなかったといえるが、これはこれで宗教音楽の本質とは何かを問う問題作のような気がする。
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