商品コード:1275-022[COLUMBIA] W.ギーゼキング(pf) / ラヴェル:Pf作品全集
商品コード: 1275-022
商品詳細:箱入り仏盤は超希少。ラヴェルの名演は数多くあるが、古典的名演としてギーゼキングを外す訳にはいかない。ラヴェルの持つ幻想性とイマジネーションを最も色濃く表現した演奏の一つと確信する。'70年代のスタイルから見ると所々にはしょりや誇張もあるが、それこそが彼の世界であり、唯一無二のピアニストとして永遠の生命を持つ所以だ。これが仏初出のラヴェル。英国では33CX 1350-2、バラ3枚で出ていた。仏は3枚ともフラット・プレス。ドビュッシー、モーツァルトとともに忘れてはならない曲集にギーゼキングのラヴェルがある。録音は1954年ロンドンのアビーロード・スタジオ。Walter Leggeがプロデュースしている。ラヴェルに関してはフランス系のピアニストも古い時期から全曲録音を行っているので、どの程度、早い時期かはあまり拘る必要はないがドイツ人の両親の下、フランスに生まれたヴァルター・ギーゼキング(1895-1956)は生粋のフランス人ではない。しかしドビュッシーもそうであったが独自の哲学のようなものがあり、ギーゼキング流とでも言える一筆書きのようなスタイルも持っている。元々ドビュッシーやラヴェルのピアノ曲は、たいてい運指やペダルの指定がなく、これらは演奏者の判断に委ねられている。ギーゼキングの演奏は分析的であるとされるが、どうやらある部分で正しく、ある部分ではそうではない。細かい音が連なり、重なって一つのフレーズのように演奏されることが多い。テンポはかなり独自に変化し、近代の若手とはフレーズから異なっている場合が多い。ギーゼキングが重視したのは分析的なメロディーではなく曲が持つ独自の響きではなかったか?ギーゼキングは完璧主義とは全く逆の極端なパターンで、ひたすら楽譜を読み続け、演奏のイメージを頭の中で構築することが日課になっていたと本で呼んだことがある。ここにギーゼキングの本質があるだろう。すなわちギーゼキングが感じた「イメージ」こそが全てだったのでは?1970年代以降は殆どのピアニストがラヴェルを分析的に演奏する。ギーゼキングは「イメージ」で演奏する。だから何所か霧の中にいるような曖昧な印象が付きまとうが、霧が晴れてしまったら「イメージ」は吹き飛んでしまう。この曖昧さが幻想的と結びつくのだが、ぼんやりとしたノスタルジックなセピア色の曖昧さこそがギーゼキングの「イメージ」であり、魅力であると思う。
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