商品コード:1279-021[DECCA] E.アンセルメ指揮スイス・ロマンドo. G.イングリッシュ, J.ミチソン(t) P.グロッソップ, J.ルーロー(bs) 他 / ストラヴィンスキー:きつね, ロシア風スケルツォ, マヴラ
商品コード: 1279-021
商品詳細:アンセルメとストラヴィンスキーは運命的な出会いをしている。この出会いが無ければ、アンセルメがここまでストラヴィンスキーを録音することはなかっただろう---と言われている。指揮者となったアンセルメは、スイス・モントルーのカフェでストラヴィンスキーと出会った。ストラヴィンスキーは当時まだスイスのローカルな指揮者に過ぎないアンセルメを、第一次世界大戦のためスイスに疎開していたディアギレフに紹介した。ピエール・モントゥーの後任を探していたディアギレフにとってはまさに渡りに舟で、彼は1915年のロシア・バレエ団(バレエ・リュス)によるジュネーヴ公演の指揮者としてアンセルメを指名した。ディアギレフは、アンセルメをアメリカ公演の指揮者としても指名し、ついに専属指揮者とした。他にストラヴィンスキーの数多くのスイス時代の作品を初演し、マルタンやオネゲルなどスイスの作曲家たちの作品を頻繁に取り上げた。これらの活動の多くは、1918年にアンセルメがジュネーヴに創設したスイス・ロマンド管弦楽団によってなされた。英デッカの録音によりアンセルメは世界的に名声を得た。サン=サーンスの『オルガン付』交響曲や、オネゲルの『ダヴィデ王』などは当時ベストセラーとなった。ストラヴィンスキーの3大バレエをはじめ、ファリャのバレエ音楽など、彼らが世に紹介し、広めてきた音楽とその演奏が多くの人々に支持されたことによって、アンセルメとスイス・ロマンド管弦楽団は第一級の「売れる」オーケストラとなっていった。こうしてアンセルメとスイス・ロマンド管弦楽団により多くのストラヴィンスキー作品がDECCAに初録音されることになる。冒頭の「きつね」は1幕のバレエ作品で「歌と踊りのためのバーレスク」の副題がある。バレエ・リュスにより初演された。ロシア語タイトルは「狐・雄鶏・猫・牡羊の物語」。テノールソロ×2、バスソロ×2の声楽を含む珍しいバレエ作品である。バーレスク(Burlesque) とは、有名な作品のスタイルや精神をカリカチュアしたり、その作品のテーマをこっけいに描く文学・戯曲、音楽のジャンルである。登場人物は、動物(狐、鶏、猫、山羊)に扮した4人のダンサーのみ。ここでは英語版を用いるがフランス語版もあり、アンセルメは1955年にフランス語版をモノラルで録音している。2曲目の「ロシア風スケルツォ」は管弦楽のための小品。オリジナルはポール・ホワイトマンの楽団によるジャズ・バンド用として作曲されている。ジャズ・バンド版としての初演は1944年9月5日にブルー・ネットワーク(en)のラジオ番組で放送された。オーケストラ版は1946年の3月にストラヴィンスキー自身の指揮するサンフランシスコ交響楽団によって初演された。ピアノ用の編曲版も存在する。ロシア的メロディーで構成される短い曲。B面の「マヴラ」は1幕のオペラ・ブッファ。1922年にパリのオペラ座でバレエ・リュスによって初演された。『マヴラ』の音楽には当時パリにあった蝙蝠座(Le Théâtre de la Chauve-Souris à Moscou)というロシア人向けのキャバレーの音楽の影響がある。上演される機会は少ない。アンセルメによる録音が無ければ知ることもないマイナー作品だが、DECCAの高音質録音とアンセルメの演奏により、リスナーはこれらを楽しむことが出来るのである。
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