商品コード:1312-033[La Voix De Son Maître] G.シフラ(pf) / レシタル-1
商品コード: 1312-033
商品詳細:シフラはVSM時代に2枚の小品集がある。このVol.1は1957年初出のモノラル録音。特に日本でのシフラはリスト弾きとして紹介された。確かにリストを得手とし、その優れた技巧を操り難曲を容易く弾いてみせるイメージが強い。そのような印象の強い方にこそ、万能ピアニスト・シフラの小品集を聴いて欲しい。ハンガリーが生んだ天才型ピアニストであり、即興演奏の名手が弾く小品の味わい深さ。意外なほど丁寧に魂を込めており、一曲一曲が最高級と約束する。1956年11月、それまでウィーンのダンス・ホールでピアノ弾きをして、その日その日を凌いでいたシフラは、PathéのプロデューサーのN.ガムソンの目に留まった。所在不明だった為、大捜索の末、ウィーンで発見された。N.ガムソンに連れられてパリに到着、矢継ぎ早に録音が行なわれた。パリ到着後すぐの12月6日からはPathé社のスタジオに缶詰めにされ半ば強制的に録音を行った。1957年1月15日、パリでの最初のソロ・リサイタルが開かれ、大きな反響を呼んだ。ショパンやモーツァルトに対する反応は悪かったが得意のリストやパラフレーズでは絶賛を得た。すぐに海外ツアーが企画され、米国、英国を中心に欧州各国を回る。リスト関係の録音はディスク大賞を総なめにした。1958年になると彼の名声はパリ中に轟いていたようだ。そして得意のリスト関係の録音が一息つくと、小品集やベートーヴェンのような隠し玉的作品の録音が始まる。この小品集はシフラがパリに着いた12月のうちに始まった早い時期のモノラル録音。翌1957年1月まで掛かって小品9曲を完成させた。ここでは得意の技巧ではなく音楽性を優先させた演奏となっている。シフラというと超絶技巧ばかりに注目が集まる。それだけではない事を証明するためにN.ガムソンが企画した内容だろう。特にシフラらしい選曲の妙がある。シフラはその日暮らしから突然大きな家と車が与えられ、生活が一変してしまう。それだけパリではもてはやされた、時代の寵児となったのである。その切っ掛けとなったリスト録音がQuoriton/La Voix De Son Maîtreに残っているが、それも是非聴いてみることをお薦めする。リスト弾きのシフラと情緒ある小品の味わいの何方もシフラの顔であり、その多面性こそが偉大な音楽家の証である点を2人とも分かっていたのだろう。超絶技巧に興味がない方でもこの小品集は気に入ってもらえるだろう。
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