商品コード:1312-029p[His Masters Voice] M.ヘス(pf)/ トリビュート・アルバム/シューマン:Pf協奏曲, 交響的練習曲
商品コード: 1312-029p
商品詳細:1965年11月、ロンドンの自宅で亡くなったM.ヘスの追悼を記念して出された12"。いずれも既発売の10"をまとめたものだが、イコライジングし直したのか、大変音質は良い。ジャケ裏にボールトをはじめ、有名な音楽家達6人の追悼文が載っている。1890年英国に生まれたヘスは、1941年英国からDAMEの称号を受け、英国ピアノ界の重鎮として活躍。バッハのコラールの編曲者となるなど、録音は決して多くなかったが、その功績は大きい。一音一音の存在感の大きさが魅力的。マイラ・ヘス( 1890- 1965)といえばバッハのカンタータからの編曲「主よ、人の望みの喜びよ」で今でも多くの方の記憶に残る名前だろう。ロンドンでユダヤ系の家庭に生まれたヘスは王立音楽アカデミーに学び、トバイアス・マッセイに師事。1907年にベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を演奏してデビュー。その後、イギリスと北米で演奏旅行に取り組む。第二次世界大戦中に全ての演奏会場が閉鎖されると、ロンドンのナショナル・ギャラリーなどでランチタイム・コンサートを企画して、自ら演奏家として出演し、大きな評判を呼んだ。この功績に対して、1941年にデイムの称号を授与された。結婚することなく、生涯独身を貫いたという。教え子には、クライブ・リスゴー、リチャード&ジョン・コンティグリア、スティーヴン・コヴァセヴィッチがいる。しかし1957年に脳梗塞で倒れ引退した為、録音に恵まれたとは言い難い。この2曲は比較的早い時期のLP録音で英国His Master's Voice:BLP 1039/BLP 1061の別々の10"で初リリースされた。この2曲はヘスが亡くなる1965年まで12"化されることなく忘れられた存在だったが、翌1966年ヘスの追悼盤としてのトリビュート・アルバムでカップリング・12"化され発売された。彼女の演奏は単純な上手さを超えて音楽が持つ滋味をストレートに届けてくれる力を持っている。演奏スタイル自体は地味であり、目立つことは決してないのだが、不思議とピアニストが消えて音楽が語り出すのである。そのようなことが出来た演奏家は多くない。ヘスはそういう音楽の伝道者の一人であったことは間違いない。
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