商品コード:1312-019[Ducretet Thomson] H.シェルヘン指揮/ モーツァルト:交響曲40, 41番「ジュピター」
商品コード: 1312-019
商品詳細:フランスでは特に大指揮者として尊敬を集めるヘルマン・シェルヘン。これはWESTMINSTER音源ではなくシャンゼリゼ劇場o.とのパリ録音。仏デュクレテ録音である。1891年独・ベルリン生まれ。'30年代にナチスを逃れ、スイスに移住。ヴィンタートゥールo.を指揮した。バッハ、モーツァルトに強い。その彼が珍しくシャンゼリゼ劇場o.を振った盤。この時代にあって、颯爽と風を切って行くような、音離れがはっきりした表現でテーマを提示し、弱音は綺麗に流す。コントラストを強調した非常に個性的な演奏!ヘルマン・シェルヘン(1891- 1966)はベルリンの酒場の息子として生まれ、ヴィオラを学ぶ。家計が苦しく、1907年からブリュートナー管弦楽団、ベルリン・フィル、クロル・オペラなどでヴィオラ奏者として活動する一方、ナイトクラブなどでも演奏した。シェルヘン自身はアシュケナジム・ユダヤ系ではなかったが、1933年にナチス政権が成立すると、これに反対してスイスに移住、第二次世界大戦が始まるまでは、ドイツを除く欧州諸国のほか、パレスチナや中国にまで足を伸ばした。1936年には、本番直前に指揮をキャンセルしたヴェーベルンの代役として、ベルクのヴァイオリン協奏曲をルイス・クラスナーとともにバルセロナで初演している。しかし、開戦後はほぼスイス国内のみに活動範囲が制約された。戦後レコード会社ウェストミンスター・レコードに参加、1950年以降ウィーンで数多くのレコーディングを行った。現代音楽のための活動も一貫して続け、ノーノやクセナキス、シュトックハウゼンなどの作品を初演したほか、1950年に出版社「Ars Viva」を設立、1954年にはグラヴェザーノに電子音楽スタジオを開設している。1964年に初めてアメリカを訪れ、フィラデルフィア管弦楽団を指揮して大成功を収めた。J.S.バッハ(とりわけ「フーガの技法」)、ベートーヴェン、シェルヘンによる特殊奏法を盛り込んだマーラー、さらにシェーンベルクなどの新ウィーン楽派の作品を特に愛好していた。演奏スタイルは基本的には知的で明晰なものを指向していたが、一方(特に古典作品で)伝統に反旗を翻すような奇抜な解釈による演奏を行うこともあり、さらに実演では表現主義的な激しさを見せることもまた多かった。WESTMINSTERにこの2曲は録音していないと思われる。シェルヘンのモーツァルトは多くないが、楷書体のきっちりしたスタイルで遊びはなく、無駄な音もない。音は伸ばさず、カラヤンと正反対のタイプ。強弱の振幅は大きめで個性的なスタイルといえる。曖昧さを排したドイツ的な要素が多い。一聴ぶっきらぼうに聴こえるが、これこそがシェルヘンの個性であり、長く付き合えるタイプの演奏ともいえる。
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