商品コード:1318-063[ERATO] G.シェベーク(pf)/ チャイコフスキー:Pf協奏曲1番
商品コード: 1318-063
商品詳細:誰も知らないような録音。協奏曲はソリストと指揮者、オケが三位一体となり、さらに時代やレーベルなど多数の要素が奇跡的に一致した時しか、時代を生き抜く名演はあり得ない。しかも、有名でなくてはという要素が入る。この録音、最後の有名という要素以外は全てが揃っている。ソリストとしてのシェベークは今や知る人ぞ知るが、この録音、L.フレモーが振るモンテカルロ歌劇場o.が凄い。かのディアギレフが本拠を構えた歴史あるオケ。ソロの存在感も凄い!ハンガリー出身のシェベークというピアニストは、日本ではそこまで知られていない存在だが、人気が出てきている。それもそのはず、この人のピアノには一見地味ではあるが、正攻法に弾いた味わい深さが並外れてあり、特にプロの音楽家に好まれている。ジェルジ・シェベーク(1922- 1999)はハンガリーのセゲドの生まれ。11歳でソロ・リサイタルを開き、14歳でベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番をフリッチャイ・フェレンツと共演するなど、神童振りを発揮した。16歳のときにリスト・フェレンツ音楽大学に入学してコダーイ・ゾルターンやヴェイネル・レオーらの薫陶を受け、卒業後は欧米やロシアなどで演奏活動を始め、ヤーノシュ・シュタルケルらとも度々共演を重ねた。1949年からはブダペストのバルトーク・ベーラ音楽高等学校のピアノ科教諭に就任するも、1956年のハンガリー動乱の影響でパリに亡命を余儀なくされた。このとき、シュタルケルの援助によってブルーミントンのインディアナ大学の教授となった。また、ベルリン高等音楽院や桐朋学園大学などにも招かれてマスター・クラスを開き、後進の指導に熱心に当たった。欧州ではERATOとPHILIPSを中心に非常に多くの録音を残すも、その大半が室内楽である。ヤーノシュ、グリュミオーらが好んでシェベークの伴奏を希望するようである。それでもERATOではソロ録音が多い。そのどれもがさすがと思わせる風格と感性に溢れた演奏ばかり。モーツァルトは数枚あるようだ。ERATOではあまりロマン派のメジャ―作品の録音はされないが、珍しくチャイコフスキー:Pf協奏曲1番をシェベークとフレモーに託した。月並みな曲だがフレモーのゆっくりしたテンポで山のようにそびえ立つ男性的スタイル。ピアノの一音の重みはギーゼキングに匹敵し、ギーゼキングには無い華やぎをも有す。ERATOモノラル期に多くの録音を残したシェベークだがこれはステレオ初期録音。派手さはないが堅実で存在感の強いソロは一聴に値する。ERATOの初期ステレオの自然な広がりが好感が持てる。
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