商品コード:1319-063p[RCA] ジュリアードQt./ ベートーヴェン:弦楽四重奏曲15番
商品コード: 1319-063p
商品詳細:1962年録音、米RCA社はジュリアードQt.を取り込む事で、ぽっかり穴が開いていたSQ部門を厚くした。大方のイメージするあの精緻で都会的な印象はこの録音にはない。もっと古典的な若くて渋い1950年代的厳粛なベートーヴェン、ブダペストQt.にも近い。これは純アメリカというより欧州から持ち込まれたベートーヴェン像が、アメリカの空気と融合して出来上がった音楽のように感じる。米COLUMBIA(CBS)の全集の前、別録(11・14・15・16番)!なかなか良い!RCA時代のジュリアードQtは米COLUMBIA時代より抑制がきいていて、渋い音を出していて、欧州の団体に近い雰囲気を持っている。1970年代の録音とは別次元!ジュリアード弦楽四重奏団は1946年ジュリアード音楽院の学長ウィリアム・シューマンの提唱で米国で発足した最も米国らしさを持った団体である。現代の弦楽四重奏団の最高峰の一つとされている。何度もメンバー交代を繰り返し現在も存在している。この録音がされた1964年は第2ヴァイオリンがロバート・コフ~イシドア・コーエンに交代、チェロが アーサー・ウィノグラード~クラウス・アダムの交代し、他2人は創設時のメンバーである。録音じのメンバーは録音時のメンバー:第1ヴァイオリン:ロバート・マン、第2ヴァイオリン:イシドア・コーエン、ヴィオラ:ラファエル・ヒリヤー、チェロ:クラウス・アダムの4人で 、「世界の弦楽四重奏団」の著者である幸松肇氏の分類によればこのメンバーは第2期らしく、最盛期に近い時期らしい。彼らは1970年代に入り「ベートーヴェンの全集録音」を完成させた。しかしRCA時代には数曲の単独録音(11・14・15・16番)がありCBS録音とは比較にならない懐の深さがある。このベートーヴァンもそれら一つの録音である。一糸乱れぬアンサンブルと切れきれの表現はこれまでにない辛口の演奏である。辛口といっても音楽的な甘味をたたえた豊かな演奏である。これぞジュリアードQt.の面目躍如といえるスタイルだろう。弦楽四重奏団としての完成度を極限まで追い詰めているがどこか欧州の団体に見られる抑えた美学が感じられる。これを単純にアメリカン・スタイルと一口にくくるのが憚れる素晴らしい演奏である。1970年代以降の解放された演奏とは異なり、要所を抑えた静かな内省的な渋い演奏で、これはこれで正当で美的な演奏であると感じられる。ジュリアード弦楽四重奏団のRCA録音はどれも彼等の黄金期といえる。15番の入荷は特に少ない!
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