商品コード:1319-058n[RCA] A.ルービンシュタイン(pf)/ チャイコフスキー:Pf協奏曲1番
商品コード: 1319-058n
商品詳細:ひと昔前まではA.ルービンシュタイン(pf)E.ラインスドルフ指揮ボストンso.のチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番は王道のLPだった。入門的な意味でも決定盤であり、日本ではシニアのコレクターも1枚(日本盤で)は持っていたはずである。ルービンシュタインだけでチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番を3枚録音している。これが最後の録音であり唯一のステレオ録音だった。ステレオに弱い高度成長時代のファンは迷うことなく、このステレオ盤を良しとしたのであった。曲も正にピアノ協奏曲の王道であり、これを聴かずしてクラシック音楽を語ることは憚れた時代があった。実際米国では常にルービンシュタインは熱狂的ファンに取り囲まれていた。それもあって一方では米国におけるショービジネスを代表するピアニストという一面も出来上がった。しかし現実にこの録音はファンを喜ばせるだけのショービジネス的な演奏ではなく、至極まっとうで規範を出ない常識的な演奏に終始している。冒頭のテーマは意外なほどあっさりしており、物足りなさすら感じるソロである。しかしルービンシュタインの本領は中間部からで、一瞬たりとも気を抜かないプロ哲学に貫かれた演奏であり、最初の1回聴いて終わりというタイプの演奏ではない。意外なほど芸術性に富んだ演奏で米国の聴衆を受けを狙ったものではない。ラインスドルフ/ボストン響も同様の哲学で挑んでおり、辛口の秀演になっている。イメージとは恐ろしいモノで、一度ショーマンシップ的ピアニストの烙印が付くと、生涯そういう目で見られてしまう。録音は多く、ムラもあるピアニストだが、その全てがショービジネスを代表するピアニストではない事実をこの録音は証明している。
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