商品コード:1320-015pb[DGG] W.ケンプ(pf)/ モーツァルト:Pf協奏曲8, 27番
商品コード: 1320-015pb
商品詳細:ケンプがDGGに入れたモーツァルトの協奏曲は3枚のみ。得意としているはずだが、機会に恵まれなかったのだろうか。よく弾む明るいタッチをきちんと出している。ベートーヴェンを弾く時とは異なり、一音一音がモーツァルトを感じさせる音色、茶目っ気さえ感じられる。何故もっと録音しなかったのか不思議だ。実に的を得た録音、音も良くモーツァルト・ファンなら是非聴いて欲しい一枚。フラット盤は存在しない、初出は赤ステジャケ入りのALLE。全3枚あるケンプのモーツァルトの一枚。ヴィルヘルム・ケンプ(1895 - 1991)はドイツ・ブランデンブルク州ユーターボークの生まれ(冷戦時は東側)。ベルリン音楽大学でロベルト・カーン(作曲)とカール・ハインリヒ・バルト(ピアノ)に師事。1920年よりSP録音を始める。1932年にはベルリンのプロイセン芸術協会の正会員となり、ドイツ楽壇の中心的役割を担うようになった。1930年代にはベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集録音の2人目の挑戦者となったが全集には至らなかった。1920年代から1940年代はDGGにSP録音を多数残している。その後途切れることなく1980年頃までDGGに録音を続けた。しかし1949年頃から1958年頃までDECCAに籍があり、録音を残している。しかし同時期にDGGにもモノラル録音があり、DECCA時代は完全にDGGとかぶっていたことになる。当時このような契約はかなり特別なものだったのではあるまいか?1958年のショパンの3枚を最後にDECCAを去った。それでも帰る場所があったことは良かっただろう。DGGのモノラル期も素晴らしいが、DECCA時代はそれにも増して遺産と呼ぶにふさわしい録音が残された。よく知られるようにケンプはベートーヴェン弾きとして名を馳せたが、数少ないモーツァルトを聴いてみれば、なかなか素晴らしい物がある。流石に一流といわれるピアニストはしっかり曲想にあった変化を付けられるものであると感心する次第。少なくとも比較されるバックハウスのモーツァルトよりもずっとモーツァルト的な気分が出ている。これならDGGでモーツァルトのピアノ協奏曲全曲録音をやって欲しかったとすら思えてしまう。
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