商品コード:1321-042[ARION] リーダー・カルテット./ ブラームス:「愛の歌」(18のワルツ集), 「新・愛の歌」(15のワルツ集)
商品コード: 1321-042
商品詳細:商品説明:ブラームスの声楽作品の中には幾つかの重唱曲がある。二重唱が1作品 (op.66)、四重唱が3作品(op.52,65,112)、無伴奏の混声合唱曲が4作品(op.42,62,93a,104)あり、扱いはマイナーだがブラームス自身はかなり熱心に作曲していたことが伺える。中でもピアノ伴奏があれば4人で歌える四重唱作品は録音が多く、特に「愛の歌」op.52「と新・愛の歌」op.65の2曲は「重唱のためのワルツ集」とも呼ばれ、モノラル期から人気の高い曲である。ソプラノ、アルト、テノール、バスまたはバリトンの4人がバランスよく織りなす重唱は大作曲家であるブラームスが長年作曲を継続したジャンルであり、決して軽んじてよい作品ではない。一人の歌手が歌う歌曲より重唱曲の作曲は困難である。ブラームスはシューベルト、シューマン、メンデルスゾーンといった歌曲作曲の先人たちとは比較にならないほど多くの重唱曲を作曲しただけでなく、このジャンルの芸術的地位を引き上げた。作品数ではなく単独の曲数で数えれば重唱20曲、四重唱60曲という膨大な数である。一聴、素朴で平易な音楽に聴こえるが、その内実は豊かなテクスト描写と熟考を重ねた楽曲構造により、アマチュアが演奏を楽しむレヴェルを遥かに上回っている。ブラームス以前は歌曲はプロの歌手のため、重唱曲はアマチュアのためという線引きがあったようだが、その慣習もブラームスが取り払ったといってよい。アルト・ラプソディのような頻繁に録音される名作だけでなく、重唱曲にも高レベルの作品が大量に存在するのである。それだけ声楽作品に対する創作能力が人並外れて高かったことが理解される。歌唱しているリーダー・カルテット(Le Lieder Quartett)はパリで結成された声楽の四重奏団でソプラノ、アルト、テノール、バリトンの4人構成。ソプラノのアナ・マリア・ミランダ(1937-)はパリ生まれでARIONに入れたモーツァルト:歌曲集で一世を風靡した澄んだ声のソプラノ。アルトはクララ・ヴィルツ(後にハンナ・シェアーに交代)、テノールのジャン・クロード・オーリアックも名前からしてフランス生まれだろう。ギヨーム・デュファイEns.にも参加している。バリトンのウド・ライネマン(1942-2013)はドイツ生まれの歌手でモーツァルテウムで学んだ人物。この4人が1970年代にヴォーカル四重奏団のリーダー・カルテットを結成し、ARIONにモーツァルト、ブラームス、ハイドン、ロッシーニなどの重唱歌曲やカンタータ、三重唱・四重唱曲等を専門に録音してきた。中でもARN 38490で出ているモーツァルトの二、三、四重唱の歌曲集はモーツァルティアンに人気の録音である。4人ともソロで活躍している実力派揃いだが、アンサンブルでは素晴らしいシンクロを見せ、ソロで表現できないヴオーカル・アンサンブルの絶妙な世界を見せてくれる。1970年代以降この世界ではトップレベルであることは間違いないだろう。また企画内容自体も独自路線を貫くARIONらしい選定であり、五つ星の内容である!
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