商品コード:1322-042n[MELODIYA] O.ヤブロンスカヤ(pf) / ベートーヴェン:Pfソナタ集/7, 21番「ワルトシュタイン」
商品コード: 1322-042n
商品詳細:オクサーチ・ヤブロンスカヤ(1942-)は当コーナー初登場の珍しいユダヤ人女性ピアニスト。17歳の時、中央音楽学校に入学し、アナイダ・スンバティアン門下で、アシュケナージ、クライネフと同門だった。学校において最年少指導者となった。その後、モスクワ音楽院でゴリデンヴェイゼルに師事した。在学中に1963年ロン=ティボー国際コンクールで2位。リオ・デ・ジャネイロ・コンクールで優勝、と大いに注目され、若手ベートーヴェン弾きとして将来を嘱望された。モスクワ音楽院に戻り、タチアナ・ニコラーエワ教授のアシスタントとして10年間指導。ニコラーエワと仲が良かったらしい。1977年6月出国許可が下りて、チェロ奏者の息子ドミトリーとともにニューヨークに移住した。ダヴィトヴィチより1年早い米国への出国だった。その年の11月にはニューヨークでデビュー・リサイタルを開き、ニューヨーク・タイムズは以下の記事を書いた---「ヤブロンスカヤは計り知れない面白さを持っている。---彼女は磨き抜かれた、他と一線を画す音楽家である」---。その4年後の1981年に初来日している。この時はあまり良い批評を受けていない。ニューヨークで地位を確立したヤブロンスカヤは1983年から2008年にはジュリアード音楽院で教鞭を執った。イタリアでは自身の名を冠したピアノ学院を設立し、多くの国際音楽コンクール優勝者たちを育てた。演奏家としての長い経験をまとめた自叙伝「Small Hands. Theme and Variations」を執筆している。ヤブロンスカヤの手は小さく、それを克服するための様々な技法を自叙伝で紹介している。2016年からはエルサレム音楽舞踊アカデミーで教鞭を執り、楽譜の校訂やイスラエル、アメリカ、ヨーロッパ、東アジアでのコンサートツアー等で活躍を続けている。現在ジュリアード音楽院名誉教授。国連芸術アカデミー、サンフランシスコ国際芸術アカデミー、ロシア科学アカデミーにおけるリベラルアーツ独立アカデミーの名誉会員でもあり、芸術における優れた業績に対するアインシュタイン・メダルを受賞している。故佐藤泰一氏は著書「ロシア・ピアニズム」の中でヤブロンスカヤについては1ページしか割いていない。米国での活躍がその必要性を下げたのだろう。ピアニスト系譜図ではゴリデンヴェイゼルの直弟子欄の末席に彼女の名がある。旧ソ連に弟子はいないがジュリアード音楽院で多くの弟子を輩出している。まだ存命と思われるが果たして旧ソ連を故国と感じているのかは疑問である。ヤブロンスカヤのスタイルはロシアン・スクールで第二世代の弟子たちに受け継がれたエッセンスの原点のような印象を持つ。ベートーヴェン弾きとして虚飾を排し、強靭な骨格を持つ芯の強さが何よりの特徴である。全くの抒情派ではない。しかし技巧を全面に出す第二世代とはやはり異なり、音楽の持つ深みをしっかり表現できる内面の深さも併せ持つ大物である点は間違いない。でなければ、ニューヨークでここまで認められるはずがないからである。1980-90年代はヤブロンスカヤのスタイルはすなわちジュリアード音楽院を代表するスタイルになったと思われる。MELODIYAに7枚のLPが存在する。内3枚がベートーヴェン。
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