商品コード:1322-013p[REMINGTON 他] E.v.ドホナーニ(pf) / コレクターズ・シリーズ・「エルンスト・フォン・ドホナーニ」
商品コード: 1322-013p
商品詳細:フランス人コレクターが個人として40年に亘って収集した演奏家別のコレクションをそのまま「コレクターズ・シリーズ」としてセットで出すことにした。当社では初の試みとなる。長年かけた厖大な時間はお金には換算できない。また縁あって集まったコレクションを散逸させず後世に受け継ぐことも国を跨いだ文化継承になるだろう。レーベルは複数にまたがり、オリジナル盤だけとは限らない、また意に沿わない国の盤が混じることもある。それらをご承知の上でご検討いただけると幸いである。基本バラセットである。今回は「エルンスト・フォン・ドホナーニ」。エルンスト・フォン・ドホナーニ(1877~1960年)はハンガリー生まれのピアニスト、作曲家、指揮者。同郷のバルトーク( 1881- 1945)より4歳年長である。作曲者として名声を上げたバルトークに対し、ドホナーニは数々の作品を残したがピアノ演奏、指揮者、録音で名声を高めた音楽家である。ドホナーニ自身はブラームスの流れを汲む、19世紀ロマン主義音楽の伝統に忠実であり続けた。ブダペスト音楽アカデミーではバルトークと同窓生だった。1944年に出国し、オーストリア、アルゼンチン、メキシコを経てアメリカ合衆国へ亡命した。1955年には市民権を取得している。バルトークと似たような経路を辿っている。ドホナーニの弟子の一人ゲオルグ・ショルティは、ドホナーニについて「素晴らしいピアニストであった」と語っている。指導者としてアニー・フィッシャーやゲザ・アンダ、ミッシャ・レヴィツキなどの往年の名ピアニストや、フリッチャイやショルティらの国際的な指揮者を輩出した。ピアノのテクニックについての教則本も遺しており、これは諸外国で翻訳された。REMINGTONは自作自演や歴史的録音の宝庫である。ドホナーニもまたREMINGTONへの録音で有名になった一人である。録音にも意欲的に取り組み、ピアニストとしてはヨーロッパ時代から最晩年のアメリカ時代も、亡くなる1960年まで録音がある。DECCAなどに録音がある指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニ(1929-)は孫である。自作自演よりも古典的なレパートリー、取りわけモーツァルトやベートーヴェン、シューマンを得意とした。ここではA面に自作4つの狂詩曲Op.11を演奏。ドイツ風というより洗練された曲に感じる。彼の作品も映画音楽などで多く取り上げられるらしい。B面のシューマンは特に聴きものである。独特のタッチとアクセント、装飾音などを散りばめた、何とも言えない美しさに満ちた演奏。曲ごとに本人の曲名紹介のアナウンスが入る。まさに生徒になった気分だが、演奏自体は神品と呼べるほどイマジネーションに満ちた素晴らしい演奏に驚く。音色も格別。流石にこれだけの経歴を持つ先生の演奏は常人ではない。改めて歴史に名を刻む偉人の演奏の格の違いを見せつけられた。晩年指揮者としての録音は多いがピアノ・ソロの録音は少ない。
ドホナーニの在庫一覧へ