商品コード:1322-001[CONTREPOINT] J.シュタルケル(vc) / バッハ:無伴奏Vc組曲1, 4番
商品コード: 1322-001
商品詳細:シュタルケルの無伴奏は、一つの完成された形の原形として、是非聴いておくべき演奏だと思うが、難点は高価な点である。英COLUMBIAとMercuryに2回の全曲録音を行ったことはよく知られている。無伴奏に人生を懸けたチェリストの一人に間違いはない。どちらも良い演奏として知られるが2つの全曲録音以前に2/5番を除く4曲の録音が米国PERIODにある。これはその一つ。ヤーノシュ・シュタルケル(1924- 2013)はハンガリー、ブダペスト生まれのチェリスト、音楽教育者。7歳でブダペスト音楽院に入学を許されるほど、幼い頃からその天賦の才能を発揮した。音楽院ではアドルフ・シッファーに師事した。1945年にブダペスト国立歌劇場管弦楽団およびブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団の首席チェロ奏者に就任。また、ピアニストのジェルジ・シェベークらとピアノ・トリオを結成し活躍した。フランス滞在中20枚ほどSPレコードを録音したが、その中の1枚コダーイの無伴奏チェロソナタが1948年のディスク大賞 (Grand Prix du Disque) を獲得した。1948年、アンタル・ドラティの招きでシュタルケルはダラス交響楽団の首席チェリストに就任した。この時には、アメリカへの移住を既に決意していたという。翌1949年にはフリッツ・ライナーの招きを受けて、メトロポリタン歌劇場管弦楽団の首席チェリストに就任。1953年ライナーがシカゴ交響楽団に移るのに伴って移籍、1958年まで在籍した。渡米直後、シュタルケルは、オーナーがハンガリー人だという理由でPERIOD(ピリオド)という小さなレーベルと契約した。1950年このレーベルで録音したコダーイの無伴奏チェロソナタでセンセーションを巻き起こし、1952年頃まで数点の録音を行った。PERIOD時代こそシュタルケルの原点といえる。その数点の中にバッハ:無伴奏Vc組曲4曲が含まれている。この4曲こそがLPで録音された世界初の録音とみて間違いなだろう。日本でも「松ヤニの飛び散るのが聴こえるような音」という名フレーズを生んだことでも有名なバルトークの二男、ピーター・バルトークが行ったと思われる録音である。これまで米国PERIODで何度も再版された録音。英国でも1954年頃NIXAレーベルから発売された。欧州ではそれで全てと考えていたがフランスでも米国PERIODの窓口となったCONTREPOINTというマイナーレーベルがあり、CONTREPOINTから出た現物が今回初めて入荷したので興味を持って聴いたが音質はNIXAに近く、やや華やかな印象を持った。PERIODと異なり落ち着いた音質である。とにかく派手でダイナミックな音が良い方には迷うわず米国PERIOD初期盤をお薦めする。CONTREPOINTは最も希少な1950年代プレスだろう。3/6番のフランスプレスも存在すると思われるが番号不明。
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