商品コード:1323-046[Charlin] K.リンケ指揮/ ラフマニノフ:無伴奏の混声合唱のための徹夜祷~13曲
商品コード: 1323-046
商品詳細:ラフマニノフの『徹夜祷』(てつやとう)はた正教会の奉神礼音楽である。正教会の公祈祷の形式の一つである徹夜祷に基づく作品であり、1910年に作曲された『聖金口イオアン聖体礼儀』Op.31と並ぶラフマニノフの奉神礼音楽の大作である。無伴奏の混声合唱のための作品で、歌唱は教会スラヴ語によって行われる。日本では『晩祷』(ばんとう)と呼ばれることも多い。これは必ずしも誤りではないが『徹夜祷』と訳す方がより正確である。正教会の宗教音楽なのでローマ・カトリックの宗教音楽とは多少雰囲気が異なる。スラヴ語で歌われる点も大いに関係する。1917年にはロシア革命が起こり、無神論を掲げるソビエト連邦の体制になると宗教音楽の演奏は禁止されるようになった。一方ラフマニノフが生活の拠点を移した西側諸国でも正教会の奉神礼音楽が日の目を見るような状況にはなく、この作品は作曲後まもなく埋もれた状態になってしまった。旧ソ連の作曲家に宗教音楽が少ないのはそのためである。正教会の奉神礼祝文のうち、徹夜祷を構成する3つの部分(晩課・早課・第一時課)に曲付けされている。第1曲から第6曲までが晩課、第7曲から第14曲までが早課、最後の第15曲が第一時課に対応する。この録音では全15曲中先頭の13曲しか収録されていない。録音されたが時間の都合でカットされたと見るべきだろう。ア・カペラで歌われ器楽は一切登場しないため、非常に敬虔な雰囲気が出る。アルト歌手のマリー・ルイーズ・ジルが合唱を先導するような形で曲が進行する。合唱はドイツ・エッセンのヨハネ・ダマスケヌス合唱団との記載だが、これは聖人伝説の一人(アラブ系 キリスト教の修道士)である「ダマスカスのヨハネ」とみるべきだろう。したがってエッセン・ダマスカスのヨハネ合唱団とした。彼等が全員パリのシャンゼリゼにあるシャルラン直轄のパリ・シャンゼリゼ録音センターまで出向いて行われた録音。指揮はこの合唱団の指揮者であるドイツ人合唱指揮者のカール・リンケ。合唱曲の録音は非常に難しく、設備が整い、勝手知ったる自分のパリ・シャンゼリゼ録音センターでやるのが一番だが、規模が大きいとそうもいかない。今回はパリで行ったことでスンナリと上手くいったのではないだろうか? ロシア系作品と言えども大作曲家の作品である。しかも音質も良い、敬遠する手はないだろう。ワン・ポイントマイク録音が功を奏し、素晴らしい空間認識が感じられる録音!
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