商品コード:1323-029n[MELODIYA] V.クライネフ, V.ヴィアルド, V.スカナヴィ(pf)/ モーツァルト:3Pf協奏曲7番「ロードロン・コンチェルト」, 2Pf協奏曲10番
商品コード: 1323-029n
商品詳細:ウラディミール・クライネフは1944年生まれ。第4回チャイコフスキー・コンクールの覇者でロシアでは有名人。小柄ながら全身バネのような体で技巧と音色のコントロールに長けた凄腕ピアニスト。ネイガウス一派だが直接の師は息子のスタニスラフ・ネイガウスである。父ゲンリヒのスタイルを近代的に進化させた逸材。コンクール優勝時のチャイコフスキー:Pf協奏曲1番のライヴ録音はそれまでのPf協奏曲の概念を覆すほどにインパクトの強い演奏だった。クライネフの鋼のような打鍵はギレリスも真っ青。しかし録音はそれほど多くない。また新世代の技巧派の登場であれだけ騒がれたクライネフでさえ近年影に隠れてしまった様相である。そのクライネフが彼のスタイルからは想像がつかないモーツァルトの協奏曲を録音しているから興味を惹かれる。指揮はリトアニアのソンデツキス。クライネフのピアノに合わせるかのような辛口でシャープなオーケストラでスタート。ソロは驚きの柔らかい音である。表現も柔らかい。しかし1950年代までの西側ピアニストと異なるのは鋭いタッチである。滲みを抑えた固い音色を織り交ぜながらモーツァルトが持つ幻想的な気分もしっかり出している。なんとも多彩な技術を持ったピアニスト。硬質でクリスタルな演奏を創造したがまるで異なる豊かな情緒も備えた演奏。まるでゲンリヒの青年期を連想する!B面のソナタには彼の本領が発揮されている。ソンデツキスはニコラーエワ(Pf)と共演が多いがこの演奏は全く異なり彼のピアノに合わせたシャープな現代奏法。逆にクライネフのソロが柔らかく美しい。ソロはやや速足で音はおっとりしているが表情はキリリと締まった現代感覚。この対比が今までにない感覚。中でも2台/3台用の録音は非常に少ない。第2ピアノで参加のウラディミール・ヴィアルドは1949年生まれ、ネイガウスの弟子であるレフ・ナウモフに師事。1973年ヴァン・クライバーン・コンクールで優勝、後に渡米しノーステキサス大学音楽学部の教授となる。カミソリのような切れ味を持つピアニストであることがこれまで入荷した2種(ベートーヴェンとプロコフィエフ/ドビュッシー)から明らかになっている。佐藤氏がカミショフを含む凄腕と称した怪物級のピアニストの一人。怪物たちにモーツァルトの心温まる曲をやらせると「赤子の手をひねる」という言葉がよくわかる演奏になる。旧ソ連のグレン・グールドのような存在。ウラディミール・ヴィアルドも鬼才中の鬼才!
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