商品コード:1323-009n[MELODIYA] A.ヨヘレス(pf) / バッハ:Pf作品集/幻想曲 他
商品コード: 1323-009n
商品詳細:アレクサンドル・ヨヘレス(イオヘレス)(1912–1978)の名を知っている人は相当なピアノ通だろう。イグムノフに直接指導を受けた弟子の一人で、序列としては大物フリエールの次に名前が出てくる古い世代の名手である。1932年にワルシャワで開催された第2回フレデリック・ショパン・ピアニスト・コンクールで賞を受賞している(優勝はアレクサンダー・ウニンスキー)。ピアニストとしての彼の名声は、ソ連で行われた第1回オールユニオン音楽家・演奏家コンクールで第2位を獲得したことによって確実になる。ドビュッシーの幻想曲、オネゲルのコンチェルティーノ、プーランクの「ネグレ狂詩曲」等のフランス作品はヨへレスがソ連で初めて演奏している。編曲でも大きな仕事を行い、シューベルトのピアノスケッチの完成と再構築を行った。1952年からヨヘレスはグネーシン国立音楽教育研究所の教授を務める。グネーシン研究所でヨヘレスは「ピアノ・ソナタの300年の歴史」という長期にわたるコンサート・サイクルの創始者となった。教育者としても傑出した人物で、運指法など技術の分野でも多くの発見を行っている。また、MELODIYAはヨへレスによる作品解説を何度もジャケットに載せていた。ただし実際の演奏は、残された少ない録音だけがヨヘレスを知る資料である。バッハを得意としていた様だが「ロシアピアニズム」でも殆ど語られていない。北欧系のような名前だがロシア生まれ。グネーシン音楽学校の後にはモスクワ音楽院でも教授を務めたらしく、指導を受けた日本人も多い様だ。1856年のWestminster録音と、EMI系に少なくとも2点のLP、そしてMELODIYAに最低10点のLPがある。バッハは今回が初入荷となった。遊びこそないが誰の耳にもその上手さが伝わり、思わず聴き惚れてしまう歌心が自然と滲み出ている。作為を微塵も感じさせない名演とはこんな演奏なのだろう。小作品ですら大物が弾くとこんなに味わい深い曲になるのかと、感心してしまう次第。聴いた全員が、同様の印象を受け驚かれるに違いない。全編バッハ作品だがB面はオルガン作品のピアノ編曲版で、恐らくヨヘレス本人の編曲も含まれると思われる。MELODIYAでバッハ弾きといえばフェインベルクの名前が上がるが、ヨヘレスも重要なバッハ弾きとして今日からは記憶されたい。場の空気を変えるような強い支配力を持った演奏で、B面先頭の「信仰の歌 われ、汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」B.639はケンプの名演が思い出されるが、ヨヘレスの演奏も味わい深さでは負けてはいない。ロシアにも知られざるバッハ弾きがいた!
ヨヘレスの在庫一覧へ