商品コード:1325-005[DF] Y.ナット(pf) / ショパン:Pfソナタ2番「葬送」, 幻想曲, 舟歌
商品コード: 1325-005
商品詳細:イヴ・ナット(1929-1956)はベートーヴェンだけでなく、ショパン、シューマン等も得意としている。彼には独特の華があり、それこそがフランスの香りというものだと思う。ピアノそのものに悲愴感がなく、文化の気高さのようなものを感じてしまう。音楽に希望と夢がある。その表現力は実に多彩で、曲の内面に食い込み、作品の情感までも引き出そうとする一方、常に根底には希望の光が見える。ピアニズムは実に明快で、滲みの少ない鋭利なタッチが曲を建築物のように構築する。ナットは1930年から1956年までにベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲とシューマンの主要ピアノ作品を録音している。何方も決定的な名演であることは言うまでもない。コルトーのショパンと同じような絶対的な安心感がある。コルトー(1877-1962)とパリ音楽院で同門であり、コルトーより13歳年下だったが6年早く亡くなった。もはやコルトーと同格のフレンチピアニズムの権化といって差し支えないと思われる。そんなナットにも僅かながらショパンの録音がある。ただ1枚分だけの録音となった。但しワルツ14番の1曲が1930年SP録音されていた。完全にショパンを無視していたわけではないだろう。コルトーがショパン弾きとして名を馳せていたこともあるだろう。ナットのショパンはコルトーとは大きく異なる。コルトーほどにロマンチシズムはない。何方かといえばベートーヴェンのようなアプローチが感じられる。1953年という時期でこのような、ある意味情感を抑制したショパンは珍しいだろう。ナットはショパンの音楽が本質的に自分に合っていないことに気が付いていたのかもしれない。正直あっさりとしている。テンポも早い。タップリしたショパンを味わうにはコルトーが合っているのは間違いない。イヴ・ナットのファンの為の録音だろう。
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