商品コード:1326-036[VSM] T.セラフィン指揮/ ヴェルディ:レクイエム(全曲)
商品コード: 1326-036
商品詳細:この曲はサーバタの名演がよく知られている。サーバタはマタイ受難曲で言えばメンゲルベルクのような立場。これはそれとは異なる現代性を持った、もう一つの名演。セラフィンは既に1939年、同じくローマ歌劇場と初回モノラルを残しているが、これは1959年の2回目のモノラル/ステレオ録音。ステレオ盤は特に希少!モーツァルト、フォーレの作品とともに「三大レクイエム」の一つに数えられるヴェルディ:レクイエム。「最も華麗なレクイエム」と評される。原題は「マンゾーニの命日を記念するためのレクイエム」で、イタリアの文豪アレッサンドロ・マンゾーニを追悼する目的で作曲され、マンゾーニの一周忌にあたる1874年5月22日、ミラノ、サン・マルコ教会で初演された。この曲はオペラ嫌いの人でもモツレクと同様に聴けるメジャーな宗教作品でもある。しかし内容的には「三大レクイエム」の中で最もオペラ的であり、ヴェルディらしさが散りばめられた作品といえる。セラフィンの指揮には強引な演出が見当たらず、楽譜を極めて忠実に再現しようという彼の流儀が根底にある。とはいえ曲が持つ劇性は十分に発揮されていて、クリュイタンスのフォーレ「レクイエム」のような時代を超えた普遍的な魅力を持った録音であるといえる。トゥリオ・セラフィン(1878-1968)はヴェネツィア近郊のロッタノーヴァ・ディ・カヴァルツェレ出身。ミラノ音楽院でヴァイオリンを学び、卒業後はヴァイオリン奏者としてミラノ・スカラ座のオーケストラに加わった。しかし程なくしてセラフィンは母校ミラノ音楽院に戻り、対位法や作曲を学んでいる。1898年、セラフィンはフェラーラのテアトロ・コムナーレにおいてヴェルディの歌劇『アイーダ』およびフランケッティの歌劇『ジェルマニア』を指揮してプロ指揮者としてのデビューを飾った。スカラ座で、当時の音楽監督アルトゥーロ・トスカニーニの下、副指揮者を務めるなど研鑽の日々を送っている。1907年にはロンドンのコヴェントガーデン王立歌劇場に客演、1909年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場の指揮者に転出したトスカニーニの後任として、スカラ座の音楽監督(1909-1914/1917-1918・在任)の地位を引き継いだ。英国では多くのイタリア人指揮者が活躍したがセラフィンは20世紀有数のイタリア・オペラ指揮者として評価され、多くの録音を残した。トスカニーニなどと違ってカリスマ性を前面に出すタイプとは言い難い。しかしトスカニーニら先行世代と違って、ステレオ録音が実用化された時期と、その芸風の円熟期が重なり、後世の人々が良い録音によって彼の演奏を堪能できる条件が整った事は幸運だったと言えるだろう。特にマリア・カラスやマリオ・デル=モナコを見出した業績はよく知られている。イタリア人指揮者は、海外に積極的に進出してドイツ系の交響曲なども得意とする人々と、自国を足場にオペラ指揮者としての活動に徹する人々に大きく分かれるが、セラフィンは後者を代表する巨星として、死後半世紀近くを経た今も尚、尊崇の対象となっている。残された録音も全てイタリア・オペラまたはその序曲集であるが、実演ではドイツ・オペラにも積極的だった。セラフィンは1934年にローマ歌劇場の音楽監督に就任、以降1962年から亡くなるまでローマ歌劇場の芸術顧問を務めてはいるが、同時にフリーの立場で各地の歌劇場に客演を重ねた。
セラフィンの在庫一覧へ