商品コード:1327-041[COLUMBIA] ハンガリーQt./ ハイドン:弦楽四重奏曲76番「五度」, 67番「ひばり」
商品コード: 1327-041
商品詳細:ハンガリーQt.は何をやっても少々渋すぎて、音色が硬くなる傾向があるが、そこがこの団体の良いところでもあり、音楽の明と暗の対比が実にはっきりしている。暗の方は、非常に深刻な印象があるが、実にあっさりと明の方へスイッチが切り替わるように入れ替わる。しかし、この力強い演奏は本当に圧倒される。安価な装置のステレオの針でも、最もモノラルらしい強烈な再生音が得られる。パンチのきいた再生音だ。カッサンドル工房の見事なジャケ。COLUMBIAへのモノラル録音はこれ1枚だけと思われる。その後VOXに移籍して複数枚の録音を残している。ハイドンは旧ハンガリー王国領の生まれであり、西部ハンガリー有数の大貴族、エステルハージ家に仕えていたこともありハンガリーQt.にとっては自国の音楽とも言える間柄である。早い時期から有名曲は録音していた。ハンガリーQt.はブダペスト・アカデミーで、ゾルタン・コダーイやイェネー・フバイに学んでいたメンバーであるシャーンドル・ヴェーグらによって、1934年に設立された団体。1935年にはデビューしている。ヴェーグは1940年にヴェーグ四重奏団を設立するために退団しているのでLP録音にはシャーンドル・ヴェーグが参加した録音は存在しない。1950年代のモノラル録音からは第1ヴァイオリン:ゾルターン・セーケイ、第2ヴァイオリン:アレキサンドレ・モシュコフスキー、ヴィオラ:デネーシュ・コロムサイ、チェロ:ビルモシュ・パロタイの4人で行った物が多い。1956年にチェロがガブリエル・マジャールに交代するので、曲によりチェロが2パターンあるが基本はこの4人である。この録音は1956年頃と思われ、チェロはビルモシュ・パロタイである。いずれにしてもベートーヴェンの初回録音で見せたような虚飾を排した率直で一途なスタイルである。美しい演奏を心がけるより、一直線に曲への沈潜を見せる。個人の名人芸も見せつつ、4人均質型の原型のような極めて緻密なアンサンブルである。強弱を巧みに使い、うるさい演奏をしない所に好感が持てる。1960年代中期頃からVOXへ移籍しメンバーも一部変わりステレオ期に入るとスタイルは大きく変わることになる。モノラル期の充実した内声部が楽しめる録音の一つである。
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