商品コード:1329-047[HMV] A.トスカニーニ指揮/ ベートーヴェン:交響曲6番「田園」
商品コード: 1329-047
商品詳細:トスカニーニは「田園」を8回録音。これは最後の1952年1月14日カーネギー・ホール。米番号・LM 1755、LPは他に1937年BBCso.とのロンドン録音(ALP 1664)の2種のみ。まさにフルトヴェングラーと対極にある演奏と言ってよいと思う。しかし今の耳で聴くと、トスカニーニが極めて自然なテンポと感じるのは何故だろう。1930年代から、このようなスタイルで演奏を続けてきた先見性と音楽観は現代に脈々と受け継がれ、行く末として永遠の命を持つ録音と信じる。トスカニーニ・ファンよ大手を振って歩け! 尚ある学者による見立てではフルトヴェングラーとトスカニーニの人気の推移はその時期の景気をある程度反映するという説である。景気が良い時期にはフルトヴェングラーが優位となり、景気が後退するとトスカニーニの人気が上がり始めるという。当社も27年以上営業を続けてきた経験からこの説は実体験で信憑性が高いと言わざるを得ない。レコードのトレンドも経済学で推理できることに驚いたが、それが現実であることを見ると、人間の行動理論は本当にあるのだと認めざるを得ない。フルトヴェングラーの絶頂期は今完全に終息している。トスカニーニが素敵に感じてしまう空気が今世の中を支配しているようだ。ところでフルトヴェングラーには弟子はおらず後継者もおらず一代限りの芸風を持った指揮者であり、対してトスカニーニはフルトヴェングラー以外の全ての指揮スタイルの中興の祖であるという説も多く耳にすると思われる。この説も説得力があり、マクロ的な目で見て大きな間違いはないと感じる。「現代のほぼ全ての指揮者はトスカニーニを源流としている」--という解釈が成立する。一見粗っぽい説だが一理あると思っている。そういう視点からトスカニーニを改めて聴くと新たなことが見えて来るかも知れない。
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