商品コード:1329-045[HMV] E.シュヴァルツコップ(s)/ SONG BOOK -3(全13曲)/シューベルト, シューマン, レーヴェ 他
商品コード: 1329-045
商品詳細:英国HMVは、看板ソプラノであるシュヴァルツコップに、ピアノ伴奏の歌曲集をシリーズ化して発表する計画を立て、Song BookというタイトルでVol.3まで出した。Vol.3は1971年の発売となり、レーベルはカラー切手ニッパーになったが、彼女の声と音質は、前2シリーズとほぼ同じ。彼女の声も、'60年代前半のカラヤンとのオペラの頃より出にくくなり、独特の歌唱法に変化した。その変化は、味のある個性として、ファンには受け入れられた。最後に1979年、DECCAに最後の歌曲集を残し、引退。Song BookはVol.4で終了した。エリーザベト・シュヴァルツコップ(1915-2006)はドイツ帝国・プロイセン王国ポーゼン州(現ポーランド、ヴィエルコポルスカ県)のヤロチンの生まれ。1934年、ベルリン高等音楽学校 (Berliner Hochschule für Musik)・現ベルリン芸術大学に入学し声楽を学んだ。シュヴァルツコップは、時には非難されたこともあるが、自然な音色というものは重視しなかった。彼女が重視したのはそれぞれの曲に合った精緻な音色と想像力であった。彼女はイタリア・オペラのように音色を変化させることはしなかった。最盛期には絶対的に正確な「イントネーション」を持ち併せていた。彼女は晩年までそれを保持し続けた。1946年3月、ヘルベルト・フォン・カラヤンは「音源探し」でウィーンにいた当時の英国EMI(“His Master's Voice„ HMV)のプロデューサーでフィルハーモニア管弦楽団の創設者でもあるウォルター・レッグを若きシュヴァルツコップに紹介した。シュヴァルツコップはレッグの要求以上の才能を見せ、2人はその夜EMIへの専属録音契約を交わした。それ以来レッグは彼女のマネージャーと音楽上のパートナーを務め、仕事上の協力関係は個人的な関係にも発展し、1953年10月19日にイギリスのサリー州のエプソムで2人は結婚した。この1968年録音当時彼女は53歳であり、絶頂期を過ぎている。1970年代に入るといよいよ声にも陰りが出る。シュヴァルツコップに関しては、個性の強い声質だけに好き嫌いがはっきり分かれる歌手である。しかしシュヴァルツコップが持つ豊かな表現力は並外れたものであり、単に大きな声が出せるステージ専門のオペラ歌手とは作りが違うのである。ある意味知的で繊細、賢明な解釈の出来る歌手であったことは真実だろう。1976年にオペラの舞台からおりて歌曲に専念することを公言した。1979年には歌曲リサイタルからも引退し、後進の指導にあたった。1960年代後期から段々と声が出にくくなっている。SONG BOOKシリーズはそのような状況を鑑みて始まったシリーズと思われる。4枚のソング・ブック・シリーズを順番に聴いてゆけば、少しずつ発声が辛くなっていく様子が感じられる。ソング・ブック・シリーズがVol.4で終了したのも関係があるだろう。2006年にオーストリアの自宅で亡くなった。享年90歳。1992年、イギリス女王エリザベス2世はシュヴァルツコップを大英帝国勲章のデイム司令官として叙勲し、DBEを授与した。
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