商品コード:1330-011p[DECCA] K.ミュンヒンガー指揮 E.アーメリング(s)/ バッハ:マタイ受難曲(全曲・ドイツ語歌唱)
商品コード: 1330-011p
商品詳細:1965年に出されたこのマタイは、シュトゥットガルト室内オケの20回目の記念行事として、近郊の町Ludwingsbergの教会にて行われた。伝統の少年合唱団(Hymnos)を用い、ステレオで捉えた大編成のマタイとして、DECCAチームがドイツまで出掛けての大仕事。内容は、ドイツ的であり英国色は微塵もない。すっきりとした音響と、重層的に畳み掛ける左右に分かれた合唱。南ドイツの雄として、歴史に残る録音だ。リブレット付き。録音は1964年ルートヴィヒスブルク城にて行われた。福音書記者にはピーター・ピアーズ(t)は英国から参加。他エリー・アーメリング(s)、マルガ・ヘフゲン(a)、フリッツ・ヴンダーリヒ(t)、トム・クラウセ(br)とドイツ側の一流メンバーが配置された。ピーター・ピアーズが1961年のクレンペラー盤でも同役を歌ってた。ヘルマン・プライがイエス・キリストを歌っている。合唱は「シュトゥットガルト少年聖歌隊」だけなので男声のみの演奏となり、女声は独唱だけなのでドイツ伝統の古式に則ったスタイルである。このスタイルはライプツィヒを中心とした、バッハ所縁の演奏には長らく受け継がれていて、ETERNAのスタイルとの共通点が感じられる。通奏低音にチェンバロは加わっておらず、福音書記者の朗唱部分はオルガンが前面に出る。合唱、オーケストラともに小編成でモダン楽器ながら時代考証を考慮した演奏である。古城での録音でほどよい残響を伴った音質であり、広く空間が感じられる等の特徴を持つ。DECCAは1950年代初頭よりバッハ作品はカール・ミュンヒンガーに一任していて、ブランデンブルク協奏曲に始まり、ついには「マタイ受難曲」に至るまで音楽的な統一感が保たれ良い結果を生んでいる。DECCAの誇るFFSSステレオの効果で2つに分かれた合唱が左右から立体感を伴って聴こえる。ソロ歌手のレベルが高く、全体のクオリティが高い。フッシャー・ディースカウを起用しなかった点が良い。ピーター・ピアーズの福音書記者とプライのイエス・キリスト役が全体に清楚名印象を与えた。少年合唱では本家のトーマス教会合唱団が断トツのクオリティを誇るがシュトゥットガルト少年聖歌隊もなかなか良いことが理解されるだろう。この少年合唱団の存在感は大きく、全体が敬虔な空気に支配され、「マタイ受難曲」としての役割が完結される。改めて聴いて、DECCAというレーベルに関係なく、ドイツ的であり、素晴らしい内容である事を再確認した。この後ミュンヒンガーは1966年9月に「クリスマス・オラトリオ」、1970年5月に「ミサ曲ロ短調」、1974年10月に「ヨハネ受難曲」と4大宗教作品を録音した。エリー・アーメリングは全ての録音に参加した。
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