商品コード:1331-055[VSM] L.クロウソン(pf) メロスEns.メンバー/ ヤナーチェク:コンチェルティーノ, 霧の中で 他
商品コード: 1331-055
商品詳細:ヤナーチェク作品だけ3曲を収録した珍しいLP。しかも英国の団体であるメロス・アンサンブルによる演奏である。1曲目の「コンチェルティーノ」の編成はジャケットにはピアノと室内オーケストラのためとなっているが、室内オーケストラといっても2つのヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、ホルンとファゴットと限定されているようで風変わりな編成である。こうした通常の楽器の組み合わせから外れた特異なアンサンブルは、当時ストラヴィンスキーやヒンデミットらが実践して一種の流行になっていたからである。古典派以降のコンチェルティーノは自由に構成された短い(もしくは小さな)協奏曲のことを指す。日本語で小協奏曲ともいう。通常は単独楽章からなる、独奏楽器とオーケストラのための楽曲であるが、複数の楽章が間断なく演奏される作品例もある。ヤナーチェクは4楽章としている。はりねずみ、りす、鳥などがユーモラスに描写されている作品。自然という題材も含め「利口な女狐の物語」(1923年作)との共通性が見られる。献呈先がピアニストのためかピアノの登場時間は長い。多くの奏者を要求しながら全員一緒にはあまり演奏させないという、この作曲家特有の一見非効率な楽器運用法の為録音は少ない。幻想的な作品。2曲目の「霧の中で」はPf独奏曲として書かれ4曲で構成される組曲風の作品。4曲がすべて黒鍵を多用した調号を用いていることや頻繁な拍子の変更といった特徴こそが「霧の中」だと解釈する向きもある。メロス・アンサンブルのメンバーではないが共演の多いピアニストのラマー・クロウソンによりソロで演奏される。なかなか美しい曲。最後の「青春」は木管六重奏曲。フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット、バスクラリネットのための作品である。木管五重奏にバス・クラリネットが加わった六重奏とも言える。管楽アンサンブルの名人芸的な用法の模範的な作品であるが、それだけにとどまらず、ヤナーチェクの晩年様式に特徴的な、興味深い楽想も散見される。4楽章構成。全楽章とも旋法的で、調号は使われていないが、フラットを多く用いた調性への偏愛もまた顕著である。『青い服の少年たちの行進』の主要主題は、第3楽章に転用されている。メロス・アンサンブルとしては冒険的な試みで選曲が良く、難解な作品は避けた点が評価される。録音自体が少なく、今のところ、ベストなヤナーチェク作品集!
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