商品コード:1333-014[Club Français] T.シュティヒ・ランダル(s)/ 歌曲集/モーツァルト(7曲), シューベルト(9曲)
商品コード: 1333-014
商品詳細:A面がモーツァルト、B面がシューベルトという構成の歌曲集。S・ランダルの最も優れた録音の一つだと思う。特にモーツァルトは、他にFNACから出ている。'56年プロヴァンス音楽祭のライブで、ロスバウトのPf伴奏で入れた3曲があるのみ、うち「夕べの想い」が曲としてはダブるが、オペラ・アリアがほとんどのランダルにあってもどちらも貴重な録音と言える。彼女の強い個性が少し抑えられ、作曲家に寄り添う姿勢が見られる。B面のシューベルトもまた見事。多くのリーダーLPの中でもスーパーな一枚。テレサ・シュティッヒ=ランダル(1927-2007)は米国生まれのソプラノ歌手。後にドイツに帰化した。生地の音楽学校とコロンビア大学で学び、在学中から舞台に立ったが、本確定なデビューは1949年、トスカニーニ指揮による「アイーダ」の放送録音だった。1951年に渡欧し、フィレンツェ五月祭に出演して成功、ウィーン国立歌劇場を拠点として活躍、アメリカ人として初めてオーストリアの宮廷歌手となる。モーツァルトのリリックな役からイタリア・オペラまで幅広いレパートリーを持つ。1959年に来日している。ランダルの声質は非常に特徴的であり、歌い方もかなり個性的なので好き嫌いが出るところではあるが、好きな方が多いことが事実。唯一無二という言葉がランダルほどしっくりくるソプラノも少ないだろう。一度聴いたら忘れられない声なのである。WESTMINSTERなどにもモーツァルトの録音が存在するものの、片面全部にモーツァルトの歌曲が7曲も入るLPはLe Club Français Du Disqueの当盤だけである。B面にはシューベルトの歌曲が9曲。ピアノ伴奏は全てジャクリーヌ・ボノー(1919-2007)。1950年代初期からDECCA、Pathé、Ducretet Thomson、Le Club Français Du Disqueなどに録音を残す女性ピアニスト。ランダルの良さは非常に滑らかな硬質に尽きる。絹のような、ビロードの如くなどの言葉はこの声を表現するためにあるといって過言ではない。相当に訓練された歌唱法を身につけているはずだが、全く自然体でありながら長期に熟成されたワインのようにツヤがあり、艶めかしくもある。その色気は何所までも健康的であり、気品さえ感じる。本当に唯一無二のソプラノ歌手。それがテレサ・シュティッヒ=ランダルである。このLPはその中でも全編歌曲を歌った極上の1枚!再版のMUSIDISCでは半分も良さが理解されないだろう。
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