商品コード:1333-001[Ducretet Thomson] M.クリュ(vn) L.デカーヴ(pf) / デルヴァンクール:Vnソナタ
商品コード: 1333-001
商品詳細:スーパー希少タイトル。1950年代のDucretet Thomsonにはまだまだ珍しいレコードがありそうだ。デュクレテの10インチとくれば期待は膨らむだろう。ヴァイオリンのモーリス・クリュ(Maurice Crut)は、1941年フランスで結成されたパスカルQt.の第2Vnといえば想像がつくと思われる。第1Vnのジャック・デュモンやリーダーでヴィオラのレオン・パスカルはそれぞれリーダー録音を残していたが、第2Vnの奏者がリーダーとして録音するという事例はカペーQt.のモーリス・エウィッツか、時代が下がってパルナンQt.のジャック・ゲステムくらいしか思い当たらない。クリュはJ.C.アングルベール(pf)とやはりDucretet Thomsonの10インチ盤(270C 007)でベートーヴェン:Vnソナタ9番Op.47「クロイツェル」も録音している。第2Vn奏者の室内楽録音とは全く思えぬほど極めてレベルが高い上に、プレスが少なかったようでギガが付く希少盤である。演奏は意外に穏やかで自然体で、大袈裟な誇張がまるでないシンプルで抑えた表現。しかし進むうちに上品でありつつ、内なる情熱の炎が妖しく燃えていることがわかる。細身で僅かなヴィブラートが乗った音は極めて美しい。抑えられた表情の中で細やかな音色の変化で付けられた表情はSP期の演奏者に近いものがあり、聴くほどに味わいを増すタイプの演奏。作曲のクロード・デルヴァンクール(1888-1954)はパリ生まれのピアニスト・作曲家。パリ音楽院で対位法、作曲を学び、1911年のローマ大賞でポール・パレーに次ぐ第2位、1913年のカンタータ「ファウストとエレーヌ」でリリ・ブーランジェとローマ大賞を同時受賞した。ドイツ占領下時代のパリ音楽院では院長を務め、パルナンQt.やランパルなど若き演奏家が徴兵されぬ様に様々な手を尽くした好漢でもある。作曲家として多くの作品を残すが、このVnソナタは1922年の作。L.ガルニエの録音もCNDにある(CND 3)が、こちらも当盤と同じく1955年頃の録音で題名は「デルヴァンクールへのオマージュ」。デルヴァンクールが逝去した時に愛弟子たちが追悼と鎮魂の意味を込めて幾つかの録音を残したのだろう。現代曲だが美しく、演奏は超一流。ピアノを担当するのはSP期から活躍する才媛、リュセット・デカーヴ。超が付く希少タイトル!
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