商品コード:1337-009p[ODÉON] H.シェリング(vn)/ バッハ:Vn協奏曲1, 2番
商品コード: 1337-009p
商品詳細:1950年~1955年までの間にヘンリク・シェリング(1918- 1988)は生涯における重要な録音を数点残している。シェリングはワルシャワ生まれのユダヤ系ポーランド人で、メキシコに帰化したヴァイオリニスト/作曲家。ODÉON以前のメキシコにSP録音などが数点あるがLP期ではODÉONレーベルが最初のレーベルになる。1955年に入れたバッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータの初回録音が最も名高いが、その3年前の1952年にバッハ:Vn協奏曲1/2番の2曲をパリで録音していた。このオリジナルはODX 114でリリースされ、ODX 122-124で出た無伴奏と同様に希少であり、綺麗な盤が少ないLPである。この2曲がシェリングの記念すべき最初のバッハ録音となった。指揮者のガブリエル・ブイヨンは当時パリ音楽院で指導していた教師で、ヴラド・ペルルミュテールやピエール・フルニエとトリオを組んでいた経歴の持ち主。オケのコンセール・パドルーは1861年に始まるフランス最古の、パリのコンサート・オーケストラである。ジュール・パドルーがコンセール・ポピュレールとして創設した。コンセール・ポピュレールは後発のコンセール・コロンヌ(1873年設立)やコンセール・ラムルー(1881年設立)に押され、1884年に活動を停止した。第一次世界大戦が終わった1918年、映画企業家セルジュ・サンベール(Serge Sandberg)が、このオーケストラを復活し、ルネ=バトン(Rhené-Baton)へ指揮を委ねた。演奏会場は、まず昔のサーカス小屋、それからガルニエ宮、マガドール劇場(Théâtre Mogador)、シャイヨ宮、シャンゼリゼ劇場、サル・プレイエル(Salle Pleyel)と移り、1921年からコンセール・パドルーを名乗った。パリで最初にできた大衆向けのオケである。さて演奏はいささか真面目すぎるほどに真摯で丁寧な演奏で当時のフランス人にはいささか硬すぎると思えるほど堅実な演奏である。星の数ほどあるこの2曲の録音の中でトップであるとは言い難い、また音色に関しても後のPHILIPSに移ってからの方が艶やかな音を出していて、シェリングの長い演奏史の中でもベストとは言えない録音である。しかしそれらを差し引いても、控えめに留めた表現にはバッハへの強い畏敬が込められているのは間違いない。細部に宿る曲への奉仕の心情は音に反映されており、これらと相まって名演の一つであるとしても疑問はない演奏であると言える。フランスでのプレスの順序は1954年頃ODEON:ODX 114にて初リリース→1956年頃XOC 112(黄/茶内溝フラット盤・新デザインジャケット入り)→1962年頃XOC 809(黄/茶段付レーベル・グルーヴガード厚手)→1969年頃仏CBS:51009--と変遷する。RIAAカーヴはXOC 809からと思われる。
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