商品コード:1338-006[COLUMBIA] W.ギーゼキング(pf)/ モーツァルト:Pf協奏曲23番
商品コード: 1338-006
商品詳細:W.ギーゼキングによるモーツァルトのコンチェルト23番である。モーツァルト弾きとしては今更語る必要もない彼の初期録音であるが、改めて聴いてみると流石に頭が下がるような演奏である。その素晴らしい演奏に対して常に問題になるのがピアノの再生音であり、その点から考え合わせても当仏初期のパテ・プレス盤は別格である。またバックのオケもカラヤンならではの出来であり、聴けば聴くほど味わい深いモーツァルトである。ヴァルター・ギーゼキング(1895-1956)は生粋のフランス人ではない。ドイツ人の両親の下、フランスに生まれた。しかしドビュッシーもそうであったが独自の哲学のようなものがあり、ギーゼキング流とでも言える一筆書きのようなスタイルも持っている。ドビュッシーやラヴェルのようなフランス作品を得意とするも、やはりモーツァルトのピアノ・ソナタを世界で最初にLP全曲録音した功績で知られるピアニスト。ギーゼキングの演奏は分析的であるとされるが、どうやらある部分で正しく、ある部分ではそうではない。細かい音が連なり、重なって一つのフレーズのように演奏されることが多い。テンポはかなり独自に変化し、近代の若手とはフレーズから異なっている場合が多い。ギーゼキングが重視したのは分析的なメロディーではなく、曲が持つ独自の響きではなかったか?ギーゼキングは完璧主義とは全く逆の極端なパターンで、ひたすら楽譜を読み続け、演奏のイメージを頭の中で構築することが日課になっていたと何かの本で読んだことがある。ここにギーゼキングの本質があるだろう。すなわちギーゼキングが感じた「イメージ」こそが全てだったのでは?モーツァルトもギーゼキングは「イメージ」で演奏する。だから何所か霧の中にいるような曖昧な印象が付きまとうが、霧が晴れてしまったら「イメージ」は吹き飛んでしまう。この曖昧さが幻想的と結びつくのだが、ぼんやりとしたノスタルジックなセピア色の曖昧さこそがギーゼキングの「イメージ」であり、魅力であると思う。この2曲のモーツァルト:Pf協奏曲は代表作として各国COLUMBIAレーベルから発売され、CD直前まで再版され続けた名演である。Pf協奏曲23番は1951年にカラヤンと録音され英国では10"の1曲入りで33C 1012で、フランスではFC 1013で初リリースされた。ロスバウトとは20/25番、カラヤンとは23/24番の計4曲の録音がある。
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