商品コード:1340-021p[TELEFUNKEN] G.クーレンカンプ(vn)/ モーツァルト:Vn協奏曲5番, シューマン:Vn協奏曲ニ短調
商品コード: 1340-021p
商品詳細:SP復刻。モーツァルトが1939年、シューマンが1937年の録音。SPも入手不可能ではないが、'60年代の復刻なので音質は良い。特にクーレンカンプの弦の音は非常に艶やか。SPならもっと良いのだろうが、かなり満足のいくレベルだと思う。さすがにオケの音は貧弱で淋しいが、ソロが大変素晴らしく、それだけでオケの方まで気が回らなくなるというのが印象だ。時折ルバートをかけたソロは絶妙であり、何回聴いても飽きないと思うほど聴く者を酔わせる。モーツァルトも良いが、何といってもB面のシューマンは1937年12月20日ベルリン・ジングアカデミーで行われた初演から約1か月後にSP録音したものである。この曲は1853年に作曲された作品だが、作曲者の死後80年間忘れ去られていた。この曲はシューマンがヨーゼフ・ヨアヒムの要請を受け、またシューマン自身もヨアヒムが弾くベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴いて感銘を受け、このヴァイオリン協奏曲ニ短調を書いた。しかし、献呈されたヨアヒムはなぜかこのヴァイオリン協奏曲を取り上げることなく自筆譜を封印し、クララ・シューマンは「決して演奏してはならない」と家族に言って聞かせていたという。理由はシューマンがライン川に身を投じる直前に書き上げていたピアノ曲『天使の主題による変奏曲』の主題と協奏曲の第2楽章が酷似していた為だという。結局シューマンのヴァイオリン協奏曲は、1937年にベルリンの図書館でヨアヒムの蔵書から発見されるまで日の目を見ることはなかった。世界初演はナチス・ドイツの宣伝省主導で、1937年11月26日にゲオルク・クーレンカンプの独奏、カール・ベーム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の共演で行われた。録音は契約の関係からベームを起用できず、約1か月後の12月20日にTELEFUNKENにより行われた。米国では同1937年12月にユーディ・メニューインがセントルイスで米国初演を行い、メニューインが「自分こそが真の初演者」と宣言するほどであった。20世紀後半以降に録音の増えてきている曲であるが、それでもシューマンの他の協奏曲に比べると今日も演奏の機会は少ない。クーレンカンプ曰く「シューマンの自筆譜のままでは演奏不可能」とされる楽譜の不備の為、書き換えた版が必要となりクーレンカンプの改訂版(ヒンデミット版)が実権を握っている為らしい。メニューインは1938年にサー・ジョン・バルビローリ指揮 ニューヨーク・フィルハーモニーとシューマンのオリジナル版でSP録音を行っている。1930年代にクーレンカンプとメニューインによって録音された版の異なる2種の録音が存在する。更に音楽の友社の「作曲家名曲解説ライブラリー」ではイェリー・ダラーニ(ハンガリーの女性Vn奏者・ 1893-1966)が1937年2月16日ロンドンにて初演となっているらしい。
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