商品詳細：アルゼンチン生まれのアルゲリッチにとって、ラヴェルは理解しやすい音楽の一つなのだろう。まるでフランス人の如く、しかも個性的に弾きこなす。苦労をしたあとが微塵も見られず、実に鮮やかで色彩豊かなラヴェルだ。フランス人のラヴェルより華やかで明るい。彼女はショパンも素晴らしいが、このラヴェルには特別な何かを感じてしまう。ツボにはまったというやつだ。1975年頃の録音。ラヴェルに縁の無かった人でも、これならすんなり聴けるはず。アルゲリッチのファンにとってはこのラヴェルこそしっくりくる演奏ではないだろうか。独自のテンポで幾分端折るように弾き進める。フランス人がどのように弾こうと自分は関係なしと言わんばかりにある意味勝手な解釈を持って大胆さと繊細さを自在に操る演奏は全員の賛同は得にくいだろう。特定の信者にはお宝となる演奏に違いない。あたかも私小説の朗読会とも言えそうなラヴェルである。

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