商品コード:1341-003t[TELEFUNKEN] C.フェラス(vn) P.バルビゼ(pf) / ベートーヴェン:Vnソナタ5番「春」
商品コード: 1341-003t
商品詳細:フェラスはDECCA時代にTELEFUNKENにも何点か録音があった。「春」もTELEFUNKENのオリジナル録音。その芸風はDECCA録音よりも穏やかで力みが全くなく、程好く効いたヴィブラートと相まって、名人の熟達した域に達したような境地さえ見せている。一聴大人しいが、SP期から受け継がれている巨匠の系譜を窺わせる。その後、相棒のバルビゼとともにDGGに移籍し、スター扱いでカラヤンと多くの録音を残したが、DGGではこの美音は遂に出なかった。クリスチャン・フェラス(1933-1982)はフランスのル・トゥケ生まれ。1941年にニース音楽院に入学、1943年には同地のコンクールで優勝。翌年、パリ音楽院に入学し、ジョルジュ・エネスクとルネ・ベネデッティにヴァイオリンを、ジョゼフ・カルヴェに室内楽を師事。13歳で同音楽院を卒業。パリ・デビューののち、各地のコンクールで活躍。1949年のロン=ティボー国際コンクールにおいて1位なしの2位を受賞した。ここで出会ったピアニスト、ピエール・バルビゼとデュオを組んで20年以上室内楽など多くの録音を行った。1975年には、それまでの功績によってパリ音楽院から表彰され同音楽院の教授として迎えられる。この時期から公開コンサートを行わなくなり、1982年3月にパリでコンサートを開いてカムバックするも、同年9月14日、49歳で拳銃自殺で亡くなった。1970年頃から思うような音が出なくなった他、カラヤンのプレッシャーなど様々な説が囁かれたが真相は闇の中である。この録音はフェラスがまだ20歳の時の録音で、ピエール・バルビゼとデュオを結成した最初期の録音と思われる。情緒のある美音と初々しさを備えた若きフェラスの音は、この時だけのものであり、ヴァイオリン奏者の栄枯盛衰を見る思いがする。DGGの1960年代後期では完全にこのような音が出せなくなり、絶望の淵に立ったフェラスの心情がわかる気がする。
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