商品コード:1342-032[AMADEO] F.グルダ(pf) / ベートーヴェン:Pfソナタ全曲集(32曲)
商品コード: 1342-032
商品詳細:英Philipsからも同様のセットが出ていて、またAMADEOもオーストリアと独プレスの2種がある。しかしどのプレスで聴いても、彼の個性的なタッチははっきり聴き取れる。グルダも独自の個性の芽が出始めたDECCA時代後期から一皮剥けて個性が際立ったAMADEO時代、このセットの価値は大きい。他にも大家の全集はあるが、哲学性より、美的センスに重きを置いたこの演奏は後世に語り継がれるだろう。単売も存在するが、同じプレス。グルダは若い時期からベートーヴェン・ソナタ全曲録音に並々ならぬ意思を持っていた。24歳の時の1953~54年に、ウィーンのラジオ放送局(RAVAG)のために行ったセッション録音が存在したことが解かったがLPは未発売。すぐ後の1954-1958年のDECCAへのモノラル全集録音がある。全曲録音されたにも関わらず全て発売されず、しかしカルショウは1950年からバックハウスにも録音を与えた。DECCAのベートーヴェン・ソナタ全集はバックハウスで発売された。グルダはグルダで当然自分の全集が出来る予定だと考え、1958年までに全曲録音を行った。しかしDECCAは11枚(22曲)のLPを発売したのみで、全集ではバックハウスを優先!その為かグルダは1959年にDECCAを去った。1967年AMADEOに全曲録音を行った。これはその11枚に纏まったAMADEOでのステレオ録音の全集である。バックハウスより斬新な解釈。DECCAを去っことはグルダにとって正解だったと思われる。カルショウは個人的に気の合わない器楽奏者には冷淡だったと言われている。またカルショウはピアノなどの器楽に興味を持っていなかった。その為、ケンプ、フルニエら大物ソリストは1960年以前に大挙してDECCAを去っている。カルショウはセールス的にうまみの大きいオペラに比重を置いていた為とされるが真実は解らない。グルダはPHILIPS、AMADEO、DGGなどで大きな仕事を残し名実ともに一流ピアニストに名を連ねた。この古い録音を聴く限り稀有な才能を持ったピアニストであったことが分かる。AMADEO音源はオーストリア、ドイツ、フランス、英国から様々な形で発売された。どれで聴いても基本は変わらないだろう。DECCA時代よりグルダ節が冴えたAMADEOはDECCA録音とは同じ人物か疑わしいほど異なる演奏である。
F.グルダの在庫一覧へ