商品コード:1343-016[HMV] ソロモン・カットナー(pf)/ モーツァルト:Pf協奏曲23, 24番
商品コード: 1343-016
商品詳細:ソロモンはモーツァルトの協奏曲を2枚作っている。これは2曲入りの方。'56年モノラルのみの発売。メンゲスの指揮は元気よく、ちょっと静的なソロモンとはどうかと思ったが、全体的に落ち着いた感じに仕上がった。イギリス紳士を絵に描いたようなソロモンは、いつもと変わらずマイペースで静かに語りかけるような調子。ソロモンによる老人の物語をメンゲスが彩っている様な感じが出ている。イギリス的なモーツァルトPf協。熟成した上質な内容。ブリティッシュ・ピアニズムの正統な継承者の一人でもある。通称ソロモン、本名ソロモン・カットナー(1902 - 1988)は、ロンドン生まれのピアニスト。苗字が表記される事はない。1912年10歳でチャイコフスキーのPf協をロンドンで披露、デビューを飾ったことから「神童ソロモン」と呼ばれ、以後ファーストネームのソロモンで活動した。ファーストネームのままで活躍したケースは非常に珍しい。レコード会社も最後までソロモンで通した。この録音でも解る通り、濁りのない美しい音色はまさに神童。第一級のピアニストと確信する。その後、活動を中止、パリに渡り、マルセル・デュプレとラザール・レヴィに学び、新境地を拓く。ラザール・レヴィはクララ・ハスキルの師でもある。その後19歳で演奏活動を再開し、1929年には初めての録音を行う。彼の名を高からしめたのは何よりベートーヴェンの演奏であった。ソロモンは優れた技巧と高い暗譜の能力を基礎とした深い楽曲への洞察に基づく、格調高く古典的、構築的な演奏で知られた。故国イギリスを中心に欧米では偉大なベートーヴェン弾きの一人と考えられている。ソロモンはEMIと契約を結び、1951年からベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の録音に取り組んだ。だが1956年夏、脳梗塞の為に左手の薬指及び小指が自由に動かないことに気づいた。この為、ピアノ・ソナタ31番の終楽章では指が滑り、一部が欠落して修正されないままであった。結局彼は脳梗塞の為に引退を余儀なくされ、全集は未完に終わった。デリケートなタッチを信条として轟音は殆ど用いられない。スタジオ録音とライブ演奏に殆ど差がなかったとも言われており、いくつかの演奏では潔癖すぎるあまり、やや退屈な印象を与えることもある。モーツァルトも一聴して大人しい印象だが丸みのある音色は全く円満であり、嫌味がない。穏やかでソフトな演奏。モーツァルト:Pf協奏曲はLP2枚の3曲で全て。もう1枚は協奏曲15番(+Pfソナタ11番K.331)。
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