商品コード:1344-041p[COLUMBIA] C.アラウ(pf) / ベートーヴェン:Pfソナタ31, 32番
商品コード: 1344-041p
商品詳細:アラウのベートーヴェンのソロは割合珍しい。モノラルのみの発売。音響的には後年、PHILIPSへの録音の方が良いが、音楽的にはこちらの録音が勝る。帯域は決して広くないが、その中で節度のあるPfを品良く響かせている。表現が大袈裟でない所が良い。こじんまりと言うと、否定的なイメージがあるが、まとまりの良い演奏とは決して大袈裟ではない。アラウの英COLUMBIAへのベートーベン:Pfソナタ録音は発売順に33CX 1513/1610/1616/1625/1696/1742(SAX 2390)の6枚。これはその2枚目で31/32番にはステレオは存在しない。曲は21/28・22/23+32の変奏曲・31/32番とPf協奏曲3番+ソナタ26番、Pf協奏曲1番+ソナタ24番、Pf協奏曲2番+ソナタ7番があり、ソナタ9曲+変奏曲1曲の計10曲である。しかし英COLUMBIAには録音されたが発売されなかった曲が14・18・30番の3曲あることが判明した。その後PHILIPSに移籍して1962~1966年PHILIPSに初の全曲録音を行った。PHILIPSへの全曲録音も評価は高いが、英国COLUMBIA時代のアラウは彼の黄金期であり、中でもベートーヴェンの演奏は物理的な力と哲学的洞察を取り入れた詩情溢れる美しい演奏である。PHILIPS録音とは一線を画す豊かな感性に彩られた独自の美学に染められた傑作といえる。ラテン系であるアラウの持って生まれた感性が哲学的な作品に情感を与え、単にかっちりした音楽とは異なる生命感を与えている。これはアラウの長年にわたるキャリアの中で、独自に育まれたスタイルで唯一無二といってよい。英COLUMBIAへの録音は限られるが、PHILIPSの全集より価値の高い録音であると断言できる。
アラウの在庫一覧へ