商品コード:1344-032n[COLUMBIA] C.M.ジュリーニ指揮/ チャイコフスキー:交響曲6番「悲愴」
商品コード: 1344-032n
商品詳細:ジュリーニ初期の名演として、またステレオのSAX 2368はオーディオファイルLPの代表作の一つとして、永遠の価値を持つであろう。非常にゆっくりしたテンポで、地の底から微かな叫びのようなものが聴こえる。題名の悲愴をたっぷりと感じさせてくれる演出が完璧な形でされている。非常に手の込んだ緻密な設計の元にオーケストラを操らなければ、このような劇的な舞台演出のような表情は不可能だろう。どんなに盛り上がっても品の良さを失わない所は見事の一言。意外にもモノラルの入荷は少なく、逆にステレオが多い珍しいLPである。それだけモノラルのプレスは少なかったのだろう。ジュリーニの「悲愴」はステレオが当たり前になっているようだが、珍しいモノラル盤で聴いた印象は重厚だが重苦しさのないスムースな展開である。遅いテンポが一層重厚の印象を感じるが全体に淀みなく、流れるよな音楽である。ある意味クレンペラーとも似ているが、ハンガリー人であるクレンペラーとイタリア人であるジュリーニは基本が異なる。ジュリーニらしさという大きな特徴があるわけではないが、プロデューサーのウォルター・レッグは、「彼が最も必要としたものはレパートリーだった」と書いている。しかし、ジュリーニは限られたレパートリーでも特に不自由することなく、自分がきちんと理解している作品しか指揮せず、やがて誰もが認める巨匠となった。覇気があり、品格を備えたオールラウンド的指揮者である。1969年にはシカゴ響の首席客演指揮者に就任して国際的な名声を手にした。しかしウォルター・レッグと組んだ英COLUMBIA時代の録音には、レーベルの柱であったクレンペラーとは異なる魅了がタップリある指揮者である。旋律を豊かに歌わせるスタイルはウォルター・レッグがジュリーニをカラヤンの後釜と考えた理由が理解できる。人格者であり、団員からの信頼も厚かったという。そのような人柄までしっかりで表れた演奏がこの「悲愴」交響曲である。1969年までEMIに貢献した偉大な指揮者である。
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