商品コード:1345-051[DECCA] M.ロスタル(vn)/ バルトーク:Vn協奏曲第2番
商品コード: 1345-051
商品詳細:バルトークのヴァイオリン協奏曲に関しては一つ注意が必要になる。以前はバルトークのヴァイオリン協奏曲は1曲だけであり、1番/2番という番号はなかった。生前、バルトークは1938年に完成された1曲だけと思われていたからである。、バルトークの死後10年近くが過ぎ去った1956年に一人の女流ヴァイオリニストのシュティフ・ガイエルがこの世を去り、彼女の遺品を整理している過程でバルトークから彼女におくられたヴァイオリン協奏曲の草稿が発見された。バルトークは彼女に心を寄せており、このヴァイオリン協奏曲を献呈していた事実が確認された。このヴァイオリン協奏曲は1907年に着手され、翌1908年に完成。草稿譜はシュティフ・ガイエルに献呈する記述があったらしい。結局ガイエルは演奏することなく楽譜を封印したため亡くなるまで知られることがないままであった。バルトークは第1楽章を改作して『2つの肖像』の第1曲とした。再発見されヴァイオリン協奏曲のコピーがパウル・ザッハーへと渡り、1956年にようやく出版された。そして1958年5月30日にバーゼルでザッハーの指揮、ハンスハインツ・シュネーベルガーの独奏により遺作として初演され、「第1番・遺作」と呼ばれるようになった。バルトーク27歳での作品で2楽章構成。作曲年代に従って新発見の曲に「ヴァイオリン協奏曲第1番」が付けられた。そして以前の「ヴァイオリン協奏曲」とされていた曲は「ヴァイオリン協奏曲第2番」とされたのである。後になって出てきた曲が遺作となりヴァイオリン協奏曲第1番(遺作・1908)BB 48a、ヴァイオリン協奏曲第2番(1938)Sz.112とされた。ロスタルが録音したヴァイオリン協奏曲第2番は以前から知られている1938年作の方である。初演は1939年3月23日アムステルダムにて、セーケイ・ゾルターンのヴァイオリン、ウィレム・メンゲルベルクの指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団により行われた。作品の完成度としては勿論2番に軍配が上がる。多くのVn奏者のレパートリーとなっている曲である。マックス・ロスタル(1905 – 1991)はポーランド・チェシン生まれで後に英国に帰化したユダヤ人ヴァイオリン奏者。ベルリン高等音楽院にてカール・フレッシュに学び、1928年にその助手となる。1930年から1933年までベルリン高等音楽院にてフレッシュの後任として教鞭を執ったがナチス政権の台頭によりイギリスに亡命し、1944年から1957年までロンドンのギルドホール音楽学校にて教鞭を執った。1957年から1982年までケルン音楽大学で教授を務め、また1958年からベルン音楽院でも教鞭を執る。エディト・パイネマン、アマデウス弦楽四重奏団のメンバーの師である。1991年に彼は若い音楽家のために三年周期で開催されるマックス・ロスタル国際ヴァイオリン/ヴィオラ・コンクールがある。当社ではロスタルが録音したベート―ヴェンのクロイツェル・ソナタをCD-Rにしている。勝手な見解だが、DECCAに籍を持った全てのヴァイオリン奏者の中で最高ランクの実力の持ち主であると密かに思っている奏者である。早い時期に録音された当バルトークも全く他を寄せ付けない名演であると信じる。何故かロスタルのLPはプレスが少なく、どれも希少盤といえる。一度でも知ったら見逃せないヴァイオリン奏者となることは間違いないだろう。
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