商品コード:1345-045[DECCA] A.ボールト指揮/ チャイコフスキー:交響曲3番「ポーランド」
商品コード: 1345-045
商品詳細:1956年モノラル録音の1957年発売。チャイコフスキーと言えば、4~6番の後期3曲ばかりが注目されるが、3番は4番より僅か1年前の1875年の作。この第5楽章が「ポロネーズのテンポで」という指定があった為、「ポーランド」の愛称が付いた。第1楽章の静かな始まりから明るく盛り上がる曲調が初めて聴いても親しみが持てる作品。後期に劣らないチャイコフスキーらしい曲。ボールトの表現は、やや格式ばった所が無いわけではないが、この曲をできるだけ格調高く、品良く仕上げようという意図が見てとれる。この時期のボールトはパワーもあり1970年代とは別人のように感じられる。ボールトといえばホルスト:惑星が連想されるほど「惑星」のスペシャリストとして知られるが他の英国作品やロマン派作品にも良い演奏を残している。エイドリアン・ボールト( 1889 - 1983)は英国チェスター生まれ。ディナー・パーティでエドワード・エルガーと出会い、この時エルガーから自作の総譜を見せられつつ解説を受けた。その後オックスフォード大学を経てライプツィヒ音楽院に入学、マックス・レーガーに作曲を師事。また、この時期にライプツィヒで活躍していたアルトゥール・ニキシュにも指揮法を師事、大きな影響を受けた。1914年、コヴェント・ガーデン王立歌劇場の音楽スタッフとしてプロデビュー。1918年、グスターヴ・ホルストの組曲『惑星』の試演、翌1919年、「金星」と「海王星」を除く初演を指揮。1930年にBBC交響楽団の初代首席指揮者に就任。この時期ボールトは同時代の音楽にも目を向けており、アルバン・ベルクの『ヴォツェック』のイギリス初演などを指揮した。1937年、ナイトに叙せられ、サー・エイドリアン・ボールトとなる。ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン、ヨハネス・ブラームス、リヒャルト・ワーグナーなどドイツ音楽の演奏でも評価が高い。ボールトの指揮は、派手さに欠ける為、働き盛りの時代には、トーマス・ビーチャム、マルコム・サージェント、ジョン・バルビローリといったスター性のあるイギリス人指揮者の陰に隠れた存在であった。ビーチャムらの没後、1970年頃になってようやくその真価が見出されたとき、ボールトは80歳近い高齢であった。録音の少ないチャイコフスキー:交響曲3番においては当録音が決定盤であると信じる。
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