商品コード:1345-034[DECCA] J.クリップス指揮/ シューベルト:交響曲9番「グレイト」
商品コード: 1345-034
商品詳細:1952年に初出が出た、DECCAで最初のグレイト。コンセルトヘボウを客演。出だしは非常におっとりとした穏かな柔らかい弱音を出す。ややゆっくり目のテンポ。徐々に芯を引き締めて、最初の盛り上がりは重厚に、格調高く唄い上げる。遅いテンポでソロに唄わせ、印象深い。これだけ穏かに感じられるグレイトは少ない。コンセルトヘボウの良い所をしっかりと引き出し、少ない音で抑制を効かせて進行させる指揮は、まさに超人!ウィーンの指揮者ヨーゼフ・クリップスがアムステルダム・コンセルトヘボウo.を振った珍しい録音。ヨーゼフ・クリップス(1902 - 1974)はウィーン生まれの指揮者。弟のハインリヒ・クリップスも指揮者として知られる。1933年にウィーン国立歌劇場の常任指揮者に就任、また1935年にウィーン国立音楽大学の教授に就任した。1938年3月のオーストリア併合の後、オーストリアを去ることを強いられ、ベオグラードに移り、ユーゴスラビアが第二次世界大戦に一時期巻き込まれるまで、地元のオーケストラで働いた。大戦終期には食品工場で働いていたが、「こっそりオペラの稽古をつけたり、プロンプター席に入って指示を出していた」という伝説もある。父親はユダヤ人であり、ナチスに協力しなかった為、早く楽団に復帰したがウィーン交響楽団首席指揮者に就いたのは晩年の1970-1973年である。角のとれた優美なクリップスとウィーン・フィル(国立歌劇場管弦楽団)の芸風は英国でも評価され、1948年からDECCAへ録音を開始した。1949年頃ウィーン宮廷合唱団、管弦楽団と録音したモーツァルト:レクイエムは今もって名盤と名高い。また1950年のモーツァルト:オペラ『後宮からの誘拐』はLPにおける初の全曲録音であった。クリップスは1950-1954年にロンドンso.の首席指揮者を務めた時期であり、これは珍しい客演録音。1950年代はクリップスの最初の黄金時代といえる。1946年11月にデッカに入社したプロデューサー:ジョン・カルショウが力をつけてくると、クリップスを高く評価しなかったカルショウに冷遇されるようになり、1963年にサンフランシスコ交響楽団の音楽監督に就任して、DECCAとは疎遠になってしまう。1957年4月イスラエル・フィルハーモニーと録音した交響曲第35番「ハフナー」、第41番「ジュピター」がDECCAに入れたモーツァルトの交響曲の最後となった。1970年代に入るとPHILIPSに移籍し、1972年~1973年までにアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮してモーツァルト交響曲集(第21-41番)を録音した。翌1974年ジュネーヴにて没。政治的理由から本懐を遂げることができなかった指揮者だが、クレメンス・クラウスの後任でニュー・イヤー・コンサートの指揮者を任された経歴がある。ウィーンの指揮者らしい品のある演奏。
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