商品コード:1346-008[NONESUCH] J.リフキン指揮/ バッハ:ロ短調ミサB.232(リフキン校訂版・全曲)
商品コード: 1346-008
商品詳細:J.リフキン指揮バッハEns.他によるバッハ:ロ短調ミサ。音楽者・指揮者・ピアニストとしての顔を持つリフキン、ルネサンス・バロックの研究者としては勿論、ラグタイムの研究者でもありジョプリンのラグタイムの録音をご存知の方も多いと思う。自らの研究を実践するために作られたバッハEns.との演奏はどれも素晴らしく、当盤は彼らを代表する録音と言えるだろう。基本的に1パートを1人で歌うというスタイルは今聴いても驚かされる。ジョシュア・リフキン(1944-)はニューヨーク生まれ。指揮者、ピアニスト、音楽学者である。現在はボストン大学の音楽教授である。学者としてはルネサンスから20世紀までの 作曲家に関する研究を発表している。リフキンは、バッハの合唱作品のほとんどが1つの合唱節につき1人の歌手で歌われているという理論「OVPP(One Voice Per Part)」でクラシック音楽家の間で知られている。バッハの声楽曲を独自の理論で指揮した録音で知られるが、何といってもリフキンを有名にしたのは1970年代にノンサッチ・レコードでスコット・ジョプリンの作品のアルバム3枚を録音し、ラグタイムの復活に貢献したことである。多彩な才能を持つ音楽学者なのである。ジョプリンを録音したピアニストのリフキンとバッハ:ロ短調ミサを指揮しているリフキンが同一人物であることがなかかな気付かれない。正に同一人物の異なる側面を別の確度から見るから解らないのである。指揮者リフキンは単にピリオド奏法で演奏する指揮者に留まらない。リフキンは、「『合唱』を従来の現代的な意味で定義する限り、バッハの合唱は例外を除いて存在しなかったことになる」と主張した。1981年に初めて提唱した際には、同業者から概ね拒否された。21世紀には、この説は影響力を持つようになったが、この分野ではコンセンサスには至っていない。ダニエル・メラメッド、デイヴィッド・シューレンバーグ、ジョン・バットなどのバッハ研究者は、この説を支持している。この「ロ短調ミサ」こそがリフキンの理論に基づいて録音された最初の曲である。1981年のノンサッチ録音は1982-83年度グラモフォン賞合唱部門を受賞した。この録音の学術的批評版は、 2006年11月にブライトコップ&ヘルテル社から出版された。これは、1748年から1750年までのバッハの最終版に厳密に従った最初の版であり、1733年のミサ(キリエとグロリアの最初のバージョン)の朗読を交ぜず、バッハの息子CPEバッハによって死後に行われた編集を除去する斬新な解決策を提示している。今もって賛否両論が渦巻くリフキンの主張だが、この「ロ短調ミサ」を聴くことで、何を意味するのか体感できる。斬新であるのと同時に今までにない美意識の洗礼を受けることになる。これをどう受けとめるかは聴いた人次第である。新説はいつの時代にも出てくるが、それを録音という形で世に示した功績は小さくない。個人的には非常に美しい室内楽的世界感という印象! このリフキン校訂版は現在では複数の指揮者が用いて新録音が出ている。
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