商品コード:1346-004[DF] Y.ナット(pf) / シューマン:幻想小曲集
商品コード: 1346-004
商品詳細:フランスのピアノ界の重鎮イヴ・ナットがベートーヴェンの次に力を入れたのがシューマンだった。全てオリジナルで集めようとすると7"・10"・12"取り交ぜて計7枚が必要。特に7"・10"は入手が難しく盤質も良い物は少ない。10"旧番号と比較すれば、確かに違いはあるもののDF 730***はRIAAカーヴで12"×5枚と簡単に集まる。しかし音質の点で納得がいかない方も多いだろう。初期盤ならナットの息づかいまでが聴こえるほどの高音質は保証出来る。オリジナルのピアノの音には麻薬的魅力があることは確かでここは選択の問題となる。ナットは1930年から1955年までにシューマンの主要ピアノ作品を録音している(LP録音は1950-55年・協奏曲を除く)。ベートーヴェンと並び決定的な名演であることは言うまでもない。ベートーヴェン同様ナットのシューマンがあれば極端な話、他はなくとも良いという話は昔からよく聞く。ロマンの香りを存分に漂わせていながら力強く骨太の安定した演奏。聴いた後の満足感はどのピアニストのものより大きいだろう。コルトーのショパンと同じような絶対的な安心感がある。イヴ・ナット(1890-1956)はコルトー(1877-1962)とパリ音楽院で同門であり、コルトーより13歳年下だったが6年早く亡くなった。もはやコルトーと同格のフレンチ・ピアニズムの権化といって差し支えないと思われる。ナットのシューマンはベートーヴェン同様圧倒的な演奏で、他者の追従を許さないものがある!亡くなる1956年まで、パリ音楽院の指導的教師の一人として、ジュヌヴィエーヴ・ジョワやピエール・サンカンらを育てた。多くのフランス人の演奏スタイルとはかなり異なる精緻で計算されたタッチはコルトーのような芳醇な音色で表現するのとは逆のアプローチを特徴としている。ナットの指は短く本人も特別な運指で対応していたと言われるが、そこから生み出された鋭角とも言える表情は異端のフレンチ・スタイルと言って過言ではない。当10"の幻想小曲集Op.12は当初・DF 178(+フモレスケOp.20)→DF 730023(同一カップリング)で12"発売されている。これら12"とは別に「幻想小曲集Op.12」の1曲入り10"もリリースされている(当アイテム)。順序などの12"との関係ははっきりしないが、溝の点で12"の片面より音質の点で有利ではある。音質最優先の方には気になる盤と言えるだろう。
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