商品コード:1348-031b[ERATO] M.アンドレ(tp) P.ピエルロ, J.シャンボン(ob) / パッヘルベル:カノン, .F.ファッシュ:Tp, 2Obのための協奏曲 他
商品コード: 1348-031b
商品詳細:名曲パッヘルベルのカノンはSTU紺竪琴レーベルがオリジナル。その後Σレーベルに。STEは存在しない。A面にパッヘルベル3曲、B面にJ.F.ファッシュの3曲計6曲収録。カノンは短い曲なので、このように別の曲を含んだLPか1曲のみのEPしか選択肢がない。同ERATOにリステンパルトのアルビノーニのアダージョがあったが、それに並ぶ決定盤。ゆったりしたテンポと後ろで小さく響くチェンバロのアクセントが、曲にアクセントを付け格調高いカノンを実現した。他の演奏もおまけ以上。パッヘルベルの「カノン」はアルビノーニの「アダージョ」と並ぶ知られたバロックの名曲として有名。「カノン」には「アダージョ」のような偽作騒ぎはなく、れっきとしたパッヘルベルの作品である。但し「アダージョ」は本来『カノンとジーグ ニ長調』として2曲が連続されて演奏されるべき曲である。理由は「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調」が原曲であり、ベルリン州立図書館にMus.MS 16481/8と番号付けられている19世紀の写本が唯一残されている。この写本はあと2曲の室内組曲を含む。かつてベルリン芸術大学に別の写本があったが失われた。カノンとジーグで1組になっており、カノンの次にジーグが演奏される。ヴァイオリン3つと通奏低音(チェンバロ)の編成で書かれている。このカノン(ジーグ抜きで)は1919年に学者のグスタフ・ベックマンがパッヘルベルの室内楽に関する論文の中にスコアを載せる形で初めて出版された。ベックマンの研究を支持した古楽研究者で編曲者のマックス・ザイフェルトは、1929年にカノンとジーグを編曲して自分のオルガヌム・シリーズの一つとして出版した。しかしザイフェルト版には原曲にはない多数のアーティキュレーションと強弱法の記号が加えられていた。更にザイフェルトは自分が正しいと考えるテンポを指定したが、後の研究ではこの速度は支持されていない。カノンはアーサー・フィードラーによって1940年に初めて録音された。1968年、ジャン=フランソワ・パイヤールの室内管弦楽団によって録音された版(当LP)がこの曲の運命を大きく変えた。これはよりロマン的な演奏スタイルで、それまでの演奏よりも顕著に遅いテンポをとり、パイヤール本人によって書かれたオブリガートのパートを含んでいた。パイヤールの録音は6月にフランスでERATOからLP盤としてリリースされ、パイヤール室内管弦楽団によるヨハン・フリードリヒ・ファッシュのトランペット協奏曲ほかのパッヘルベルとファッシュの作品も含まれていた。以降「カノンとジーグ」は忘れ去られ、「カノン」が通奏低音の伴奏を伴い単独で演奏されるようになる。1970年、サンフランシスコのクラシック音楽ラジオ局がパイヤール盤をかけたところ、リスナーからのリクエストが殺到した。パッヘルベルの「カノン」は特にカリフォルニア州において人気を獲得した。実はパイヤール以前の1961年にK.ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内o.(ミュンヒンガー編)がDECCAに録音しており、DECCAでも人気に乗じて、「パッヘルベルのカノン:この曲を有名にしたレコード、および他のバロック名曲集」として再版して1976年のクラシック・アルバム・ベスト・セラーを記録した。パイヤール盤は1980年の映画『普通の人々』で突出して使われた。1983年初出の山下達郎『クリスマス・イブ』にも、この旋律が間奏にて引用されている。当LPは「カノン」の世界的ヒットの契機となった歴史的LPである。パイヤールの編曲の勝利といえるだろう。
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