商品コード:1349-028p[HMV] ソロモン・カットナー(pf) / ベートーヴェン:Pfソナタ8番「悲愴」, 30番
商品コード: 1349-028p
商品詳細:ソロモン・カットナー(1902年8月6日 – 1988年2月2日)は、イギリスの伝説的なピアニスト。活躍した時期が長くなく、脳梗塞によってキャリアを中断されたことから伝説的なピアニストと言われることがある。5歳でクララ・シューマンの弟子、マチルダ・ヴェルンに師事する。1912年10歳でデビューを飾った。これらのコンサートの成功から「神童ソロモン」と呼ばれ、以後ファーストネームのソロモンで活動した。ファーストネームのままで活躍したケースは非常に珍しい。HMVのLPの表紙にはSolomonとしか書かれていない。ソロモンは古典派からロマン派にかけて広範なレパートリーを誇っていた。だが、彼の名を高からしめたのは何よりベートーヴェンの演奏であった。ソロモンは優れた技巧と高い暗譜の能力を基礎とした深い楽曲への洞察に基づく、格調高く古典的、構築的な演奏で知られた。故国イギリスを中心に欧米では偉大なベートーヴェン弾きの一人と考えられている。日本には1953年に来日したが、あまり話題にはならなかった。しかし音楽評論家の吉田秀和は彼を高く評価し、最高のベートーヴェン弾きとしてその著作で言及している。ソロモンはEMIと契約を結び、1951年からベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の録音に取り組んだ。だが1956年夏、脳梗塞のために左手の薬指および小指が自由に動かないことに気づいた。このためピアノソナタ31番の終楽章では指が滑り、一部が欠落して修正されないままであった。結局彼は脳梗塞のために引退を余儀なくされ、全集は未完に終わった。これは1951年頃の録音で彼の黄金期のベートーヴェンである。何処までも端正で誇張のない自然な響きと構成は正に英国紳士然としたスタイルである。音も非常に澄んでいてクリスタルの響きとは正にソロモンの音を指す。全曲ないのは残念だが、ピアノ好きには重要なLPとなろう。状態の良いオリジナル盤は極めて少ないのが現実。ソロモンは1948~56年までの間に全18曲のベートーヴェン:ソナタを残した。SLS・7枚組の箱があり、それで全て聴く事が出来る。しかし'50年代リアル・タイムで発売されたオリジナル・プレスでなければ味わえないものがあるのも事実。これは最初の録音として地味な表情の中に彼の精神が刻み込まれた超名演。
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