商品コード:1352-040[MERCURY] J.シュタルケル(vc)/ チャイコフスキー:ロココ変奏曲, サン・サーンス:Vc協奏曲1番
商品コード: 1352-040
商品詳細:ヤーノシュ・シュタルケル( 1924- 2013)はハンガリー・ブダペスト生まれ。1945年にブダペスト国立歌劇場管弦楽団およびブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団の首席チェロ奏者に就任。また、ピアニストのシェベーク・ジェルジ(ジョルジ・シェベック)らとピアノ・トリオを結成し、活躍した。しかし翌1946年には祖国を去り、ヨーロッパ各地で演奏を行い、その名を知らしめた。フランス滞在中20枚ほどSPレコードを録音したが、その中の1枚コダーイの無伴奏チェロソナタが1948年のディスク大賞 (Grand Prix du Disque) を獲得した。レーベルでは1950年代にPeriod Records、1950年代後期に英 Columbia、1960年頃ERATO、1962年頃~MERCURYへの録音が始まる。アンタル・ドラティ( 1906- 1988)も同じハンガリー・ブダペスト生まれで、ドラティの強い口利きでMERCURYヘの移籍が実現したのではないかと思われる。1948年、アンタル・ドラティの招きでシュタルケルはダラス交響楽団の首席チェリストに就任した。この時には、アメリカへの移住を既に決意していたという。翌1949年にはフリッツ・ライナーの招きを受けて、メトロポリタン歌劇場管弦楽団の首席チェリストに就任。米国では既に大物チェリストとして名声も得ていた。ドラティとシュタルケルが同じMERCURYに籍を置いたことで二人のハンガリーの大物音楽家による共演が実現した。二人は当盤の他、ドヴォルザーク:Vc協奏曲と2枚のLPで終わったが何方もMERCURYを代表するチェロLPの録音として大きな存在感を持つ。何方もオケはロンドンso.で、ドラティの凄まじい推進力のあるバックはこれだけでも管弦楽曲として満足の出来るレベル。シュタルケルのソロはドラティほど熱くはならず、極めてクールな理性的な演奏に終始している。パワーで押す演奏が多いなか、シュタルケルのアプローチは何所か少し引いた印象を受けるが、それが高い音楽性を感じさせる。A.ドラティ指揮ロンドンso.の演奏は本当に見事である。このあたりにもMERCURYの目指した方向性が見える。そのMERCURYの意図とシュタルケルの意図が1960年代の数年間一致した方向を見せ、多くの名演が生まれた。ここにはシェリングとの協奏曲と共通する思想が見える。MERCURY録音はうるさいだけとイメージされる方も多いが、実際はそうではない。特に欧州プレスで聴けば米国レーベルの中で特にクラシックを意識した高品質な録音を行っていたことが理解されだろう。
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