商品コード:1368-063[SUPRAPHON] J.スーク(vn)/ ベートーヴェン:Vnソナタ9番「クロイツェル」, 8番
商品コード: 1368-063
商品詳細:ヨセフ・スークとヤン・パネンカは1962年~1966年にベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全曲を録音している。当時スークは30代後半、パネンカは45歳の頃である。二人は1952年に結成されたスーク・トリオのメンバーで長年演奏をともにしている間柄である。因みにチェロはヨゼフ・フッフロ(vc)で3人共プラハ音楽院出身。1960年代には殆どのメジャー・レーベルでヴァイオリン・ソナタ全集が録音された。SUPRAPHONではこの2人に託された。スークはボヘミア・ヴァイオリン楽派の継承者であり、それぞれのレーベルでそれぞれのを代表するヴァイオリン奏者が録音している。スークの特徴は温かい音色を丁寧な古典スタイルに乗せた伝統手法である。古楽奏法が主流となった1990年代からは一時古臭い時代のヴァイオリン奏者とみられる向きもあったが、改めて聴けば、やはり伝統手法は不滅であり、永遠の命を持つスタイルであると実感する。スークの演奏には奇をてらった所が全くなく、気品さえ感じられる。時代や気分に関係なく長年にわたって親しめるスタンダードとしての大きな価値を有する演奏といえる。ピアニストも端正で清廉なチェコスタイル。清楚且つ丁寧であり、模範のような演奏である。2人のバランスはある意味完璧であり、いわゆる巨匠同士の駆け引きに満ちたものとは次元の異なる調和の取れた美しい演奏!スークならではの優しい表現で、ベートーヴェンの厳しさより人間味の方に光を当てた演奏になっている。バッハのVnソナタではいま一歩踏み込みが甘かった面もあったが、このベートーヴェンではそういった甘さは良い方向に出ていると思う。温かさを感じるVnだ。単売でコツコツとオリジナル盤を集めることが愉しみとクオリティの両立を見ることになる。スークの特徴である穏やかで人間味の強い部分がよく出ていて、飽きの来ない穏やかな演奏である。もっとシャープでエッジの効いた演奏が聴きたい場合は選択肢が多いが、この演奏のような疲れない演奏というのは意外に少ないので貴重と言える。1960年代で自然な音質も大変好感が持てる。良い時期に録音ができたことが幸いした。ヨゼフ・スーク(1929 - 2011)も亡くなって14年が経とうとしている。晩年は古めかしいタイプの奏者として紹介されることも多かったが、今となっては大変な才能であったことが理解されよう。
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